ダークライが立った!

気分としては「クララが立った!」感じで。ダークライ・スタンディングフォーム(命名)はあり得ないと思うわけです。
サークルのポケモントレーナー4人でディアルガVSパルキアVSダークライを見に行ってきました。
全体的な評価としては、10点満点中5点くらいですかね……。面白かったけどあちこち気になる。
ストーリー展開は良いと思います。オラシオンの伏線も結構綺麗だったし。個人的にはオラシオンにもっと深い背景が欲しかった感じですけどね。街に古くから伝わる歌で云々。そして、ゴーディの日記の書き方がもっと別の書き方で、外部から来たサトシ達こそがその意味に気付く、みたいな感じとかは無かったんですかね。まあ、トニオとアリスのつながりとかを重視するならああ言うストーリー展開になるんですかね。
ダークライ格好良いよ! なんていうかね、ダンディ。街への侵入者に対して突然「出て行け!」と言いつつダークホール連射。周りの人間&ポケモンにジャマされるのを厭ってだとは思いますが、それがなければもっと話は楽に進んだ筈……、というのはさておくとして。「ここはみんなの庭園だ!」とディア&パルに対して怒り心頭に発して果敢に挑みかかるダークライの姿は本当に男気を感じました。ダンディな男は愛に生きなければ。……となると過去にアリシアと「ここを守る」みたいな約束をしていて欲しかった感じでもあるんですがね。アリシアとのやりとりにしてもダークライの「ここにいてもいいのか?」に対してアリシアが「うん、ここはみんなの庭園だから」と言ったのが伏線として大きなポイントだったわけですが……、そこはむしろ庭園で他のポケモンに対して暴れるダークライを宥めてアリシアが「暴れちゃダメ。ここはみんなの庭園なんだから」とでも言っていた方が、ディア&パルの愚神を止めようとする時の動機付けがよりぐっと意味を持ってきたような気がしますね……。にょきっと伸びた美脚はまあ見なかったことにしつつ……。
まあ、でも今回の最大のポイントはディアルガパルキアの描き方のような気がするんですよねー……。キャラデザインが発表された時から遊戯王デュエルモンスターズだとさんざん言われていたディアルガパルキアなわけでして、ポケモンにあるまじき厳つさとなかなかに感情の読み取れない目つきの悪さをもったポケモンなわけです。しかし仮にも神と呼ばれているポケモンなのですよ*1。そんなポケモンに殆ど知性が感じられずただただ暴れているだけって言うのはどうなんですか? 劇場版で描かれた伝説級のポケモンでここまで人格(モン格?)が無かったのは初めてではないでしょうか……。そもそも言葉を解さないし、時間と空間の狭間を生きる互いに出会うはずのない者が出会ったというただそれだけの理由でお互いを倒すべくガチバトル。確かに神の信仰としては、全く手のつけられない荒ぶる神を信仰すると言う例も少なくはないですが、今回のは酷すぎると思いましたね。大体、そう言う問答無用のバトルをやるならグラードンカイオーガというベストな背景を持つカップリングがあるのに、というのもさんざん思ったこと。本来出会わなかった筈の者たちが出会うだけで本当に壮絶なバトルを始めるのか、とか、そもそも何故二者は出会ってしまったのかという大きな謎が残ったり、色々消化不良なんですよね。
正直、ディアルガパルキアという超強力モンスターによるはちゃめちゃバトルを描きたかっただけ何じゃないかと思わずには居られない。確かに、あんな壮絶な空中戦、サトシ達の手持ちで出来たらビックリですよ。エンテイVSリザードンよりもお互い飛べる上に実力が拮抗してて技が強烈な分迫力が凄かったですし、ほぼシャドーボール一択だったミュウツーVSミュウよりも勿論上。バトルの迫力だけで言えば間違いなく過去最高レベルだったと思うんですが、それだけだったら最初の十分くらいで映画の山は見たことになるよね、と言えてしまう; まあ時の咆吼と亜空切断が格好良かったのは紛れもない事実なんですよ。亜空切断はもっと物理チックにリアルに切り裂くのかと思いきや、よく考えたら特殊技なのであれでOK。あとはディアルガのラスターカノン(恐らく)もなかなかの格好良さでしたね。特にそれの一発を毒づきで相殺するグレッグル
総じて言うなら、今回のストーリーは大きすぎて描き切れてないんですよね。ゴーディが見た悪夢の様子とか、ダークライが何故そう言うお告げ的悪夢を見せることが出来るのかとか、オラシオンの由来とか、ダークライが傷ついて庭に迷い込んだのは何故かとか、なぜアラモスタウンに二神は来たのかとか。その辺りを想像するだけで長編一本分くらい小説書けるよなー……と思ってしまうよしけむなのでありました。そこまでこだわるほど惚れたストーリーではないけれど、でも書きたいという久々の二次創作衝動もなきにしもあらずw
えーと……、あとはなんかますます影の薄くなるロケット団ベロベルト伯爵=ワタル。そして来年の予告でみんなを爆笑の渦に飲み込んだ「来年の映画はレジワロス*2なのか!?」疑惑。予告でレジギガスの腕が現れた時は我々四人笑いが止まりませんでしたからねwww
そんな感じですかねー。なので基本的には不満が残るわけでしょ。ラストは良かったですけどねー。感動の再会のシーンで音楽が勇ましすぎる感はありましたが、ダークライと影という印象的な結びつきを非常に上手く利用した描き方で、格好良かったです。
だから要所要所が良いだけに全体的なしまらなさが余計に気になるんですが……。

*1:まあ私の中で神と呼ぶポケモンスイクンとルギア以外にあり得ないんですが

*2:レジギガス