世界を暴くシステムの残念なところを暴く

クレイジーギャグアニメとして定評のある革命機ヴァルヴレイヴ、各所でムチャクチャ言われていますけれども、僕は好きですよ?
だけども、なんか色々とザンネンに思うところもあるんですよ。
それが何でなのか、ちょびっと書いてみようかなと思います。
因みに僕はハムエッグの黄身はナイフでふたつに切り分けても良い派です。
あとこの記事はちょびっと7話のネタバレを含みます。

多分ストーリーを同時並行でやりすぎ

物語は、デカいんですよ。
手元に録画があるなら1話のアバンを見直すべき。

真暦71年――後に第三銀河帝国はじまりの年と記憶されるその年、人類はその生活圏を地球の外へと拡大しつつあった。

この前振り、かなり強烈なのでは……。
その後の展開が超展開過ぎて忘れられてますが
アルスとドルシアの二国対立の間をJIOR=学生国家がヴァルヴレイヴを武器に立ち回っていく物語……なんでしょうけれども、これは多分最終的にはJIORが両国に匹敵する力を持つか或いは統一帝国を作っちゃうんだろうなーっていう展開が予想出来ます。
ていうか、今改めて見直してみたら「帝国」作っちゃうんだーっていう……。
この手の話で主人公率いる国って大体帝政に反旗を翻して共和制を打ち立てるとかいう流れが多いと思うんですけれどもね。
しかも7話アバンでまーた突然200年後カーミラで戦う流木野さんが出てきて、7話中では一切説明されないわけですよ。
視聴者からすれば「え??? これどうなるの???」という感じですね。
ここが、多分「ヴァルヴレイヴ面白いのかどうかわからん」という感情の一番キーになるところだと思うんですよ。つまり、展開が遅い。
色々と面白そうな要素はいっぱい盛り込まれてるけれど、どれもこれもちょびちょび出される中でろくすっぽ進まない。だから、面白そうだけどイマイチのりきれない。
同時並行で進んでいる話を少し整理してみようかと思います。

  • 一人旅団エルエルフの起こしたい革命の話
  • ドルシアのカイン大佐のヴァルヴレイヴを押さえたいという目論見
  • ていうかそもそもヴァルヴレイヴとはいかにして作られたものなのか、何者なのか
  • 「あの光は何なんだ!?」←なんなんだ?
  • ハルトはショーコちゃんとスタァ流木野のどっちとつきあうのか
  • 流木野さんが周りとうまくやっていけるのかどうか
  • ハルト(+流木野)の非人間性を知っている人たちがそれを知った上でどう彼らと接するのか
  • ていうか生徒会政府はこの学園をどうしたいのか
  • 学園に引きこもっているアキラちゃんは何がしたいのか
  • タカヒ姫は完全にハルト君(中身は流木野さん)に惚れてるね

これらの話が全部ちょびちょびっとだけつまみ食いにされてテーブルの上に乗っかったままの感じ。
そら、見てる方もストレスたまりますって。
一個一個の話は面白そうなんですけれどもね。
もう7話まで終わったんですよ、いくら何でも話が進んでなさ過ぎのような気がします。もうちょっと、3,4話毎に少しずつ山場を作っていった方が見てる方はノリやすいんじゃないですかねという。

学園ものに特有の弛緩した空気

学園もの、世界を変える、とかのキーワードでパッと思いつくのがコードギアスですね。あと境界線上のホライゾン
どっちもサンライズですしおすし。
ただギアスの場合は学園と黒の騎士団のパートは基本的に別個の流れで展開されていました。
ホライゾンは、政府=生徒会なのが当たり前の世界観。
一方でヴァルヴレイヴは、勢いで学園モジュールだけ独立しました
何をどうするかとかのノウハウは全くなく、しかも学園に居る大人は物理教師貴生川と保体の教育実習生七海せんせーだけなわけですよ。


……無理じゃね?


設定のアラをつくより話の面白さを見ろ。
と、僕もよく思うんですけれども、生徒会を中心とした自治政府で本当に今後アルス・ドルシアを相手に立ち回れる姿が、あまりにも想像不能ですねん。
ヴァルヴレイヴの整備とかどーすんだろうなーって思ってたけどそれは多分機械によるオートメンテナンスなんでしょう、ということにしておく(説明欲しいけど)。
それにしたってですね、黒の騎士団はゼロというスーパーブレーンがいたからブリタニア相手に大立ち回り出来た。ホライゾンは「凄い奴等がいっぱい居てどうにかなる」。そういう、「どうにかなる」っていう根拠があまりにも希薄。
生徒会長たよりねーし、ショーコちゃんあんま考えてねーし、山田サンダー脳筋だし、スタァ流木野身勝手だし。
これでエルエルフが参謀についたりしたら、またわかんないでもないんですが。
そんな奴等に毎回追い返されるドルシアの軍人wwwwwwwwwwwwwww
何処が優秀で何処が無能なのかもうわかんねーな、これ。

恵まれた設定が生きてこない展開

  • ヴァルヴレイヴパイロットの憑依能力。
  • ダイソン球殻天体
  • 人型戦闘ロボが否定される世界観

いや、この辺の世界観、もっと生かしていいと思うんですけれどね。
政府高官に憑依して政治面から動かせ、と言ったエルエルフの戦略はほんとその通りだと思いますよ。憑依能力はもっと面白い展開に持って行ける。なのにろくすっぽやんないんだもんなあ。
ダイソン球殻天体についても全然生きてこないんですよね。なんせモジュール切り離して独立飛行しちゃってるから。因みにダイソン球殻天体の1モジュールだけ切り離して咲森モジュールがエネルギー源をどうしているのかは考えないことにします。
あと人型ロボットって何でこの世界では否定されてるんでしょうね。ダイソン球殻天体を作る技術力があるなら人型ロボなんて簡単に作れると思うんですけれども。
お前らガンダムに謝れよ。ガンヴァレルに謝れよ。技術者が「なんで人型なんだ……」とか真面目に考察している背景説明してくれよ。200年後には人型ロボが再評価されていることから、おそらく第三銀河帝国が一時期覇権をとって人型ロボの再評価が進むんだろうなーとは思っているのですが。

全ての流れが上手くまとまれば名作になる気がする

なんかですね、個々の脚本の流れぶった切り感が井上響鬼みたいな唐突さなんですよね。
で、本当に流れを上手くまとめる事が出来るのかっていうと、そのまんま発散しそうな気もするんですよ。
でも、なんとなく面白そうな空気は少しずつ出てきてる。展開遅いけど、一気にまとまる時はその内あるかもしれない。
この物語の先に何があるのか?
可能性だ!
エルたそ「可能性だ!」
可能性ならしかたないね。
ということでyoshikemはこれからもヴァルヴレイヴをマターリと応援します。