結局中二病でも恋がしたいは何が残念だったのかねっていうお話
さて!
中二病でも恋がしたいの原作読んだんですよ.
アニメ版が余りにも微妙でなんとも言えない出来だったので残念感を覚えながら,「じゃあ原作はどうなんだろうね」ってことで.
自分の思考がラノベ好き=ラノベ原作が残念改変されているとラノベ原作者にものすごく同情してしまうというバイアスを持っているのはある程度自覚しているんですけれども,それでもアニメと原作を両方見て,これだけは言いたい.
爆ぜろ京アニ!弾けろアニオリ!
改変ってレベルじゃねーぞ!
というわけで,アニメ版中二病でも恋がしたい全12話と原作全2巻に沿って何が変わっていて何が残っているのか,でもって何がつまらなかったのかをちまちまと書いてみようかと思います.
七味屋,もとい七宮と風鈴ちゃんは犠牲になったのだ……
結局何が原作リスペクトされてて何がアニオリ要素なの?
結論から言うと「原作」を名乗るのがおこがましいくらいオリジナルです.
具体的に言うと,THE IDOLM@STERとXENOGLOSSIAくらい違う.いや,ゼノグラシアはそこが原作をめちゃめちゃに改変してもはや別物にした挙句面白かったんだけど,中二病の場合は特に面白くなってない改変で同じ事をやってる,ってわけで名誉ゼノグラシアと呼んでいいのか微妙なラインですが,まあこの改変はぷちゼノグラシアですよ.
まず,各メインキャラについて
小鳥遊六花
共通点
- 数学ができない
- 眼帯してる
アニメオリジナル部分
- 部屋に色々な中二グッズがある ←原作ではシンプルな
おかゆ部屋- 姉と二人暮らし,勇太の家の真上に住んでいる ←原作では一人暮らし,そもそも多分一人っ子,帰り道は逆方向
- 数年前から勇太のことが好き ←原作では入試の合格発表時から
- 秘密結社(同好会)を作ろうとする ←原作では放課後一緒に勉強してるだけ
富樫勇太
共通点
- 元ダークフレイムマスター
- 家事ができる
アニメオリジナル部分
丹生谷森夏
アニメ版
- チア部→結社
- 元激烈中二病,世界で唯一の魔法使い
- ニセサマーorモリサマー
原作
くみん先輩
- 原作2巻で保健室で寝ているところを目撃? メインキャラではない
一色
アニメ版
- 元々髪伸ばしてる
原作
- 最初から五厘刈り
- 風紀委員
凸,十花さん,キメラ
- 原作にはいない
巫部風鈴ちゃん,七宮智音=ソフィアリング・SP・サターン7世
- アニメ版でなかったコトにされた重要キャラ
もはやどこが原作リスペクトできてるのかって言うと,キャラの原案出しただけに近い,といえるレベルなのですよ.
特に丹生谷の改変が個人的には残念です.原作では彼女はそもそも最初からダンス部に所属してて,時々絡んでくるクラスメイトでしかないんですよ.世話焼きキャラはアニメでもそこそこ反映されたんですが,ドSに勇太に絡んでくる流れが全部消えたのはかわいそう.
何より,彼女は,もりさまなんですよ.モリサマーでなく.強烈な中二病設定なんて作って無理やりキャラ変える必要なんてなかったと思うんですよね.
結局どこが面白くなかったのか
アニメ版のストーリーは結局どこが面白くなかったのか.
- Episode �「邂逅の・・・邪王真眼」キャラ紹介,六花と勇太の出会い
- Episode II「旋律の・・・ 聖調理人」姉ちゃん登場回+くみん先輩登場回
- Episode III「異端なる・・・ 双尾娘」まだ勇太の恋心がちょびっと丹生谷に向いてた時期,チア部の丹生谷が気になるとか.『極東魔術昼寝結社の夏』作ったり
- Episode IV「痛恨の・・・ 闇聖典」『極東魔術昼寝結社の夏』に丹生谷が加入,今明かされるモリサマーの過去とは
- Episode V「束縛の・・・ 十字架」数学の勉強をせずにプール掃除してる回
- Episode VI「贖罪の・・・ 救世主」誰 得 一 色 回
- Episode VII「追憶の・・・ 楽園喪失」水着回だと思った? 残念! シリアス回でした
- Episode VIII「二人だけの・・・ 逃避行」実家から逃げ帰る六花ちゃんを勇太が追いかけることで六花が恋に目覚める回
- Episode IX「混沌の・・・ 初恋煩」恋しちゃってる六花ちゃん中二病めんどくせえ!あと,告って心の契約
- Episode X「聖母の・・・ 弁当箱」学校ものだからやることを宿命付けられた文化祭回,お姉ちゃんが外国に行く→六花ママがくる→六花の中二病を辞めさせなきゃ→勇太が猛烈にブレる
- Episode XI「片翼の 堕天使」中二病なんてなかった,というくらい六花が別人.クラスメイトとちょっと馴染んだ? 凸守が泣く
- Last episode「 終天の契約」凸守第二形態,くみん先輩が邪王真眼を継承,六花ちゃん中二病復活.
結局何があったかって言うと,この物語,一周回って勇太と六花が付き合い始めただけなんですよ.
11話までの過程でキャラクターの成長があるかとおもいきや12話で六花は今までどおりの中二病だし,凸も戻ったし,くみん先輩は最初から何がやりたいのかわからないし,勇太もそんな感じ.
不可視境界線の向こう側に行っちゃったお父さんの話はなんとなく回収した風に見せて,その後六花が全然変わらない中二病っぷりを発揮してることによってトラウマ克服を蹴っ飛ばすシナリオは一体なんなんだろうねって思いますね.ここが原作版と大きく違う点ですよ.
原作だと六花は勇太を通して中二病の変な奴としてながら,クラスメイトに少しずつ受け入れられていくんですよ.そこで重要な役割をはたすのが例の風鈴ちゃんなんですけど.クラスメイトキャラ消して変な先輩と変な後輩出した上に丹生谷の立ち位置もガラっと変えちゃうから,結局クラスメイトとの絡みがほとんどなくなっちゃった.挙句の果てに,あの物語のラストでは結局『極東魔術昼寝結社の夏』のすごく変な人達の間だけで自己完結した変な奴らの自己満足物語でしかないわけで…….
それでいいのか? という話.
中二病の痛い人が主人公に来る物語だと,やっぱりその痛さが周りとどうリアクションするのか,そこが気になるポイントとして期待してたし,原作では消化されてるところなんですけれども.こうも変わってくると.
それと並行して首をひねりたくなるのが,勇太のぶれぶれな態度.原作では一貫して六花の中二病を暖かく見守りながら周りとの関係を取り持とうとしてるのに,アニメでは最後にぶれて一時的に中二病を直させようとして,最後は結局「それは違うんじゃないか!」って六花の中二病の肯定に回る.ひどいマッチポンプではなかろうか.
結局勇太が六花を凹ませて立ち直らせる物語という構図にしてしまったのは,残念感あふれるポイントなのかなと思います.
とりあえず,その辺,色々気になってた点.
七宮絡みでいけば,まだまだ書きたいこといっぱいあるけれどとりあえずこの辺で.
まーた書き足すかもしれません.