蘭のメイドと神隠し〜セッション振り返り

マイア・パイロープ。今回のPCです
昨日のセッション、改めて振り返りますか。
毎度思うことであり、また当たり前のことなのですが、TRPGというのは流れが決まり切っていないから面白いわけです。でも、GMとしてはある程度シナリオを組んでいないとマスタリング出来ないわけで、いろいろ準備をします。PLもこんなことをやりたいっていう青写真はきっと組んだ上で臨んでます。だけど、アドリブの中でそう言った準備を全て出し切れるなんて、あり得ないわけです。
ここを突っ込んで欲しかった、と他のPLに対して不満を思うこともあれば、自分の「出来なかったこと」に不満を覚えることもあり、また当然GMのマスタリングに引っかかりが残ることだってあるでしょう。でも、そんな中で出来なかったことは反省点として次に生かし、出来たことをきちんと認識して楽しかったと思うのが重要なのではないかなぁと思います。
勿論セッションを重ねてPLとして力量を上げて行ければそれに越したことはないんですが、別に成長することを目的としてセッションをしているわけでもありませんし。
出来なかった、と一度思い始めるととかくミスばかりに目が行きがちになるかも知れませんけど、少し視点を変えれば楽しかった点もいっぱいある筈なんですよねー。
と、こんな感じのスタンスでざっと振り返りをしてみますか。




まず、今回のメンバー。

GM:黒崎さん
PC:ラグナ@かすみん先輩
  マイア@よしけむ
  ロミルワ@八墓さん
  ラビリン@喜多川さん

と言う具合。
僕のPCのマイアはグラスランナーでグラップラー・スカウト・レンジャー持ちの女の子です。ラグナにベタボレの許嫁さん。強くなるために突然放浪の旅に出たラグナを追ってはるばる旅をしてきて、今回の街で追いついたと言う背景があります。
PCのロールプレイに関しては、まあ満足出来る範囲だったと思います。えーと、ついかすみん先輩と掛け合いしてると喋る比率が高くなるのですが……それはそう言うキャラが多いと言うことで勘弁(無口キャラの筈なのに発言率が……とかは無い)。
ブコメネタを振れるというのは結構楽しいですね。しかも会話が結構生き生きとするので、ロールプレイをしてる感がたっぷりあります。お付き合い下さりありがとうございました♪
あと、グララン名物好奇心に駆られての暴走というのが今回もたっぷり出来たので、非常に満足。特にこのカップルの場合はマイア=突っ走る、ラグナ=石橋を叩いて渡る、という正反対の性格のくせにお互いそれなりに信頼しているものだから、巧い具合にぼけと突っ込みみたいな阿吽の呼吸が成立するんですよね。

マイア:あ、ラグナさまー、なんだか扉がありますよ〜、がしっ。
ラグナ:マイア、止まりなさい。扉に掛けた手を放しなさい。
マイア:……え〜……、ぶつぶつ

そんな感じ。2回に1回はラグナの静止は間に合ってないわけですが。
因みに今回のロールプレイで一番気に入っている場面は宝箱から「信念の指輪」を手に入れた場面。グラスランナーは精神抵抗に成功したら魔法が消滅するっていう特性を持っていることもあって、精神抵抗にボーナスがつく指輪をマイアが貰うことが出来たわけですが。

マイア:ラグナ様〜、この指輪、私に填めてくれませんか? と言いつつ左手の薬指を差しだします。
ラグナ:またそんなことを……。仕方ないですね。
マイア:えへへ〜。指輪のはまった左手を見ながらニヤニヤしてます。

そんな場面。男二人でやっているという現実に目を瞑ってリプレイとして読むと、結構お気に入りの場面だったりします。この信念の指輪はマイアの宝物になること間違いないでしょう。



さて、で、セッション全体の振り返りの方を少々。
今回のセッションは誘拐事件の犯人をどうにかしようという話でした。とあるお屋敷のメイドさんが一晩だけの神隠しに遭ってしまうという謎の事件の解決に当たれと、そういう依頼で、しかも犯人らしき人影がとある遺跡に入っていくところを見たから中を調べてみて欲しいとのこと。マイアとしては積極的に関わる動機もなかったので「誘拐」というおっかない単語に少し慎重になったりもして、ラグナの判断に従うという動きに。因みにメンバーはこの日初めて会って、何となく依頼を一緒にこなすことになった面子でした。
お屋敷のお嬢様のお使いであるロミルワに連れられて、依頼主から直接話を聞き、結局は「受けても大丈夫だろう」ということに。というわけで出発の前にごちそうを頂いた時にあんまり遊べなかったのが残念かなー。どうしようか咄嗟に言葉が出てこなかったんですよね。「はい、ラグナ様、あーん」とかやればよかったなぁ。
因みに、事件解決の為の手段としてGMが用意していたシナリオが「遺跡の探索」だったわけですが、好奇心旺盛なマイアは途中で「じゃあ、私がメイドさんに変装して囮作戦をしませんか?」という無茶振りを。状況とPCの性格を考えたら自然な流れだとは思うんですが、勿論GMの青写真には絶対無い風景。どうなるかなぁと思いつつ振ってみたら、ロミルワに「貴女の身長に合うメイド服はありません」と言われてしまいました。わーん、そりゃ、どうせ身長148cmのグラスランナーですよぉ。ちっちゃくて悪かったですね! 今度はスカウトorレンジャー技能+器用度Bで判定して裾を詰めてやるー!
閑話休題。遺跡へは「人影を見た」というメイドさん「レティ」の案内で向かうことに。そして遺跡について、いざ進もうかと思ったら、なんとレティも「何があったか見届けるために」ついてくると。ここでPC達は全員反対の意を唱えます。だって、メイドさんパンピーじゃないですか。一応魔法の心得が少々あるとのことでしたが、でもやっぱり一緒についてこられると足を引っ張られるかも知れないし、危ない。そもそも見届け役ならロミルワがいるのでは、とかいろいろ言いつつ断固反対の意を唱えるのですが、レティさんは意地でもついてくるとか。ラグナがスリープを掛けても抵抗されるし、どうも置いていくのは無理っぽいから仕方なく連れて行くことに。この時は……レティさんが遺跡の中でほぼ空気と化すことなど、予想もしていなかったのです。
遺跡探索はマイアが持ち前の無謀さで突っ走りながらラグナが慎重に色々なものを調べていく、という具合で進みます。マイアの出目がやたら悪かったのはここだけの話。壁にボタンがあったら問答無用で押し、扉は開ける。階段があったかと思ったら既に下からみんなを呼んでいる。いやー、突っ走るのって楽しいですね。しかも前衛キャラだからいざという場合でも何とかなるし。
で、辿りつきましたダンジョン最下層。
扉の奥からは何かが動くような音が聞こえてきます。やばそうだと言うことで薬草で調子を整えて、さあ、入りますかという所。

レティ:あの、みなさん、本当にその扉を開けられるのですか?
マイア:がらがらがら……、え? 既に開けちゃいましたが?
レティ(GM):え?(硬直)

今回一番の爆笑シーンでした。
GM的には扉を開ける手前で会話的な何かを用意していたらしいのですが、問答無用で開ける暴走グラスランナー女。更に

GM:えーと、扉を開けたのなら奥にはこんな奴がいます(と言いつつ下半身蛇の何かを登場させる)
ロミルワ:魔物知識判定……。ラミアですか。
マイア:あははー、がらがらがら。と、神速で扉を閉めます。
GM:閉めるんですか!?
マイア:ラグナ様、帰りましょうか。

もはやどこからつっこんで良いのかの暴走プレイ。だってぇ、3レベルのマイアたちでラミアとか無理ー、って思ってたんですもん!
結局戦うことになっちゃったんですけどね。
しかも、レティさんは奥にいたラミアのお姉さんで、彼女もまたラミア。彼女を自陣営に加えての戦闘になりました。何でも、姉妹ラミアはこっそりメイドさんの血を貰うことで生活していたのですが、妹ラミアは加減をせずにギリギリまで血を吸ってしまうからお姉さんが懲らしめてやりたいと言うことで冒険者を呼んだ、というような事態だったようです。
ここが結構ポイントだったんですけど、操霊と真語の5レベルが扱えるラミアが自陣営にいる上に、敵陣営が強いんですよ。そりゃ、レティさんにどう補助で動いて貰うのかがポイントになるじゃないですか。何がベストなのか、ルルブをめくっての戦闘方針シンキングタイムが数分取られてしまいました。かすみん先輩的にはここが結構不満だったみたいですね。まあ、僕もあんまり好きな時間ではありません。でも何が出来るのかわかって、最善の手を取らないと、流石にラミアに勝てる気がしないわけで……。結局【ウェポンマスター】なんてトリッキーな魔法でマイアに《牽制攻撃》を付与して貰って、その命中補正が割と効いたというのがあるので、あの時間は重要だったと思うわけです。ラミアは投げられないし手下のロームパペットは打撃に対して防護点が上がるから、マイア的にはラグナに泣きつきたかった位なんですよぅ。
かくしてラミアは無事撃破。そのままお屋敷へ連行し、お嬢様がキツいお灸を据えるそうです。あの妹様(東方的な意味ではない)それくらいのことで改心するとは思えないんですが……、そこはGMが今後を考える場面なので。
かくして冒険終了。相応に羽振りよく報酬が貰えて、マイアは早速お金があまりモード。貯金して魔法のハードノッカーコースかなぁと思っています。個人的には「魔法の〈投げ〉(強化済み)+1」とかいうわけのわからないものに挑戦してみたいのですが、わけが分からないので無し。ルール上投げは「近接武器」だから出来なくはない?



さて、GMさんは実は結構不満なマスタリングだったようですが、個人的には今回のセッションは面白かったです。久々のPL参加で、思う存分グラランの暴走探索が出来たのでロールプレイとして満足っていうのは前述の通り。
じゃあ、自分内反省点は何があるかっていうと、グラランで一人突っ走る子だからある程度は仕方ないんですけれどもラグナ以外とあまり絡めなかったことですかね。遺跡の入り口で散々渋っておきながら、いざ入ってしまえばレティのこととかそっちのけで罠を作動させたりミミックに突っ込んだり。あそこで「ほら、だから危ないって言ったんですよ。今からでも引き返しません?」とでも言えてればよかったのに。GMNPCを一緒に配しているならそこで絡まないとあとで見返した時NPCの空気ッぷりが酷いのはわかっていたんですけれども、頭から抜けてたなぁ。あとロミルワやラビリンとも積極的に絡めなかったのは少し心残り。まあこちらが暴走したボケに対して二人がツッコミを入れてくれる場面は少なからずあったので、リプにしてみればそれなりに会話はしているとは思うのですが。
今後は「何気ない会話」の重みを増して行けたらいいな、と思っています。ラグナとのいちゃらぶ夫婦漫才は勿論増やしていくに決まってますけどね!


でもって、GMに対して思うところいくつか。
まず、少し不満に思っているところ。自分もこないだやっておきながら言いますが、NPCが戦闘に味方陣営で入るのは僕はあまり好きではないのです。なんか、その時点でNPCがほぼ確実に「死ぬ」んですよね、役割として。ただの回復マシーン・攻撃マシーン・補助魔法量産機、みたいな感じになるわけです。戦闘になればみんな戦闘処理を第一に、次に余裕に応じて一撃入れる時の台詞とかが入ってくる、という感じになりがちで、GMはモンスターの処理を一人で何体もやらなきゃならないから大変ですし、そこでNPCをPCの要求に応えながら動かしつつ、ってのはしんどいのは自分がよく実感しているのです。
今回の場合はラミア姉の助けがなければ多分勝つのは厳しかったと思うのですが、なんともその辺りのバランスの取り方は難しいです。
まあ、その辺に変なこだわりを持っているよしけむです。要は、キャラが死んでなければ良いと思うんです。つまり、NPCを戦闘に参加させてもPCに投げちゃうのは後から見ると割と切なくて、それをするくらいなら出さない方がいいかなぁと、その程度の思い。
ほぼ同様の方程式なのですが、レティさんがダンジョン内でほぼ空気になってしまったのも痛かった。会話を掛けなかったPCにも非はあるんですが、あそこでレティさんが空気になってしまったことで謎解き要素がほぼゼロになって、最深部で突然クライマックスになって謎もなし崩し的に自供、となってしまいました。それこそ黒崎さんが望んでいたようにお嬢様がレティの心境をおもんばかって追加報酬を〜、とするならもちっと下積みが欲しかったかも、といったところです。本人もそこは言ってましたが。
あとは、これも個人的な感覚で他の人に通じるかどうか認識していないのですが、NPC同士で会話を進められるとPLは置いてけぼりになるので、出来ればNPCは一度に二人以上でほいほい会話を進めないで欲しい。マイアは空気を読まない子なのでNPC同士の会話にばっさばっさ口を挟みましたが、GMの中で出来上がっているストーリーをNPC同士の会話だけで引き出されるのは、それこそコンピュータゲームで「決まり切った展開を淡々と見せられている」みたいな状況になってしまいがちかなと思うわけです。僕もそのマスタリングに関してはまだまだ力不足を感じるわけですが、なんとかPCとNPCの会話の中でストーリーが引き出せたらなぁと思うのです。無論、PCが結構突っ込んで聞いてきてくれるってのがないとキツイわけですが。
まあ、今回のラミア姉妹のネタ晴らしに関しては有無を言わさず扉を開けてしまったマイアが悪いという説もありますが。
モンスターの設定で細かい点を読み込んでいたのは面白かったなぁと思うわけです。ラミアが中立って、正直知らなかった。新米女神リプレイでも完全に敵だったし、そもそもコボルトみたいなのは例外で基本的に第二の剣の眷属とは相容れないものだと思ってるよしけむです。
蛮族とコミュニケーションしながら、っていうセッションはそれはそれで面白いんですが、僕の腕ではまだまだかなと思ってシナリオを組む気にならないのが正直なところ。あと、他にもやりたいことは山ほどあるし。
てなわけで、今回良いラミアと悪いラミアがいたのは面白かったですね。
ダンジョンも、まあ良い感じにシンプルで楽しんで突っ込めました。
また続きはやりたいですねー。

でも、今回久しぶりにPCをやって、どちらかというとやはりGMの方が好きかも、と思っているよしけむです。
自分がGMでキャンペーンをどんどんやりたい、その一方で他の人のGMでPCもやりたい、という非常に困ったちゃんなジレンマに陥ってます。あふ〜。