8/24(Wed)コンサートにいってきました

市民会館でのコンサートに行ってきました.
Vn各2人+Va, Vc, Cbの7人編成での弦楽合奏で,会の題はThe best of CLASSICS.
8時からで,500Kc〜1000Kc(2500〜5000円),プログラムとしては1時間.まあ,決して安くはないですが,こちらの小規模な教会コンサートだとそんなもんかなぁというところですな.
最初はモーツァルトのA Little Night Musicからスタートしました.こちらの弦楽合奏小演奏会では頻繁に目にする曲目です(たぶんヴィヴァルディの四季と共にメジャーかと).恥ずかしながら,この英語の曲名が日本で言う所の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」であるということに,演奏が始まるまで気づきませんでした.日本でもモーツァルトの小夜曲とでも邦題を付けていればいいのに,原題ママのカタカナ語が頭に染み付いていたもので……,ぷち失態です.
そのあとはモーツァルトヘンデルの曲(僕が知らない曲)が続き,マストーネの歌劇〈カヴァレリア・ルスティカーナ〉よりの間奏曲.これは小学校で合奏して以来うちの母親が気に入ったこともあり,自分でも好きな曲でもあり,とにかく我が家では割とメジャーな曲.たゆたうような素敵なメロディが弦楽のアンサンブルで奏でられて,なんとも幸せな数分間でした.
お次は雰囲気が少し変わって,地元作曲家のドヴォジャークの「ハンガリー舞曲第五番」,知り合いには「裂けるチーズの曲」と言われたこともあります.確かにCMには使われていました.ええ.非常にテンポの良い曲で,7人の息もぴったりあっていて,途中でテンポを落とすところ(アッチェレランドの逆ってなんでしたっけ?)では僕が予期していたのよりもガクッと減速したので聞いていて前につんのめりそうになったりもしました.最後の締めの一歩手前でコントラバスの人が音を外しちゃって終了後にヴィオラの人と苦笑いで顔を合わせていたのはご愛嬌ということで.
激しい曲の次はまた一転して穏やかな曲,パッフェルベルのカノンでした.これも超がつくくらいの有名曲ですね.本来ヴァイオリンのために書かれた3番をヴィオラがやるという弦楽四部(ないし五部)合奏でありがちな状況でしたが,そんな中でヴィオラの存在感が輝いてました.ヴァイオリンは各パート2人なのに,それに聴き劣りしない柔らかい響きで追走していくヴィオラのメロディ.それがヨーロッパの天井の高い石の壁でよく響いて,ヴィオラ好き垂涎ものでしたよ,あれは.
さらにヴィオラ好き垂涎ものは続きます.お次はドヴォジャークの「新世界より」からラルゴ,一般に「家路」という名前で親しまれている曲ですね.1stヴァイオリンのリーダーの方によるやわらかな主旋律はもちろん素敵だったのですが,それを下からそっと支える深い音色のヴィオラの副旋律,なんと素敵なことか!! ご飯三杯はいけますよ!! と叫びたくなるほどのびよりすと至福のとき.特に途中から転調して少し物悲しさが増すところ,そこではむしろヴィオラが主役とでも言わんばかりの調べ.もう,なんていうか故郷に帰りたくなること200%.
びよりすとの至福はまだまだ続く.お次はバッハのAir,俗に言うG線上のアリア.透き通った空気のようなヴァイオリンの調べと,それを自然に押し上げるヴィオラの朝日のような柔らかい伴奏,そしてチェロバスのピツィカートが刻むリズム,なんと素敵なアンサンブルだこと.高校1年生時分に演奏した経験もある曲なのですが,その時の記憶が蘇りながら聴き入っていました.この曲もヴィオラの存在感がぐっと来る曲なんですよね.2ndヴァイオリンが1stの付き添いみたいな感じになる曲では,四重奏用の曲だと特にヴィオラに綺麗な副旋律が回ってくることが多いので,びよりすととしてはよだれモノですね.
ラストはシュトラウスのピツィカート・ポルカで〆.皆さん弓を置いての,すべての音がピツィカートで弾かれるという珍しいあの曲です.最後の曲だからか曲の雰囲気もあってか,演奏者の方たちがおどけたような雰囲気で客席を覗いたりしつつの演奏,テンポもゆるめたり速めたり,自由自在に飛び跳ねて,とても楽しいひと時でした.まさに今回みたいな小さな演奏会の締めにぴったり.1stの二人目の人が途中で音を外して,次に息を合わせてコードを弾くときに2ndの人が「おやぁ!?」という顔をしてそれから1stの人が目をそらす(ふたりとも全体としては笑ってる)みたいなやり取りがあったのは,これもご愛嬌ですかね.
終わったらなんとなくのスタンディングオベーションで,アンコールはモーツァルト(の何か).「おしまい!」という感じのテンポの速い曲で,ちゃかちゃかーっと弾いて終了でした.もちろん終了後スタンディングオベーション
あー,楽しかった.これでチェコに来るのは3度目ですが,結局毎回まちなかコンサートを聞きにいっております.やっぱり,こちらに来たら石の建物で催される市民コンサートに参加しないと,勿体無い気がするんですよね.冒頭に書いたとおり値段は決して安くはないのですが(プラハは.地域・場所を選べば安いところもある),聴く価値は一見(一聴?)に如かず.ぎりぎりまで行こうかいくまいか悩んでいたのですが,結局行ってよかったです.
当初のプランでは1日前にチャンバーオーケストラを聴きに行くことも検討していたのですが,そちらはチェコの協力研究者の方との食事が入って行けませなんだので.いや,はや,大変満足いたしております.
が,最後にこれだけは言いたい.
\結局今年もスメタナを聴けなかった!/
(実は最初に行こうと思っていた方のコンサートではモルダウが曲目に入っていたのです……)