ハートキャッチっ! プリキュアが終わってしまった……

プリキュアがああああああああ最終回いいいいいいいいいいい!
ガッツリハートをキャッチされました。
始まる前はハートキャッチおジャ魔女だとか色々言われてましたが、いざ始まってみれば青の子可愛いだのいつきさんサイコーだのゆりさああああああああああああああんだの大きいお友達のハートをがっちりキャッチしていたハトプリ。
フレッシュの後半くらいからプリキュアを見始めた僕は、今作が年間通して見た初めてのプリキュアだったんですが、面白かった!
いや、プリキュア舐めてたね。いや、ぺろぺろではなくて。
流石ですよ、プリキュア流石ですよ。
日曜の朝に覇権を握り続けているだけありますよ。
なんかプリキュアファンの中でもハトプリは人気高い結果に終わったようで。
そんな作品が実質のプリキュアとの出会いになったよしけむは幸せだったんですかね。
しかし強烈な最終回だった。
まさかスタードライバーよりも先に

第4フェーズ:術者が巨大化する

プリキュアで現れるなんて……。
8時間早いよ。
ソレは日曜17時からの番組だ。
さらに「こぶしパーンチ!!」で全てを持っていくブロッサムさん。
いやそりゃお尻パンチとか全部パンチとかやってたつぼみさんなら仕方ないですけど……。
最後まで笑いあり・涙あり・驚愕あり・感動ありのハートキャッチプリキュアでした。


さて。
何となく一年を振り返ってみましょうか。
今回のプリキュアは主人公つぼみが水樹奈々さん、という
あたりから話題になってはいたのですが……。
年間通してみると、つぼみが成長を始める物語、という感じでしたね。
この手の話だと主人公がどんどん成長していく、夢に向かって突き進む話のようなものをつい期待してしまう気がするんですが、その意味では主人公的立ち位置にいたのは常にえりかだったような気がします。
ハトプリでは学園編の基軸になっていたのがファッション部だったわけですが、ファッション部はえりかが部長で、ファッションデザイナーを目指しているのはえりかです。
話の中でつぼみが自分を再発見していく手段として服をデザインしたり、いつきが女の子としての自分を意識し始めるきっかけとして、このファッションデザインという材料は様々に姿を変えて料理されるわけですが、軸としてはあくまでえりかを主役に置いたもの。
それは最終話での落とし所を見ても明らかです。


では、つぼみの夢とはなんなのか?
最終話にして遂に「宇宙へ行きたい。宇宙に花を咲かせたい」という夢を見つけるという、蕾の綻びが出てくるわけです。
言い換えれば、それまでのつぼみは、ただ周りに流されるままに主人公をやって来ただけだったとも言えるかもしれません。
正直言うとですね、期待してたんですよ。
つぼみがデザトリアン化して不満をぶちまけまくる展開。
えりか達がつぼみデザトリアンと戦って「つぼみ……、そんなコンプレックスを持ってたんだ……」みたいなことになって、でもソレを乗り越えるきっかけを闘いの中で見つけて、より一層友情が深まる、みたいな展開。
えりかもいつきもデザトリアン経験者なわけで、プリキュアは一度デザトリアン化してソレを乗り越えることで強くなる、みたいなのもありかなと思っていたんです。
なかったですね。
その事実が、つぼみは飽くまで傍観者の立場から事件を解決している、という印象を強めているのかもしれません。
結局彼女がやっていることは、

  1. 砂漠の使徒がこころの花が弱った人間を惰弱扱いする
  2. 堪忍袋の尾が切れました!!
  3. 説教
  4. ハートキャッチ!

親身になったり、悩みに共感したりすることはありますが、飽くまで他人。
そこは間違いないわけで、他人の悩みを勝手に粉砕しているだけという見方も出来ます。
で、ついでに世界を救う。
この「あくまでも他人スタンス」は、魔法少女リリカルなのはA'sのなのはさんと通じるところもあるかも知れません。

なのはは無印(或いはTheMovie1st)ではなのはとフェイトの衝突と対話、そしてゼロから始まる友情がテーマでしたが、A'sは一転ヴォルケンリッターと闇の書・はやてが物語の軸。裏番組としてフェイトが歩み始める新しい道の物語がありましたが、なのは自身はこの物語に積極的に関わっていく必然性は無いんですよね。
しかしそんな物語の中に身を投じて戦っていく中で、やがて管理局で魔導士として前線に立つという将来の夢を見つけていく。

こんな共通性があるわけです。
しかも気付けば二人の夢は「宇宙へ」と「空へ」と、なんとなく似ている。
物語のメカニズム的に読むなら、この「主人公=ある意味蚊帳の外」というのは、視聴者が主人公に過度に感情移入しなくても物語を楽しめる、という点で「作品を面白くする」為の要素になっているのだと思います。
主人公の性格と描写が強すぎて、なんだか作品に入り込めない。感情移入出来ずに視聴者置いてけぼりで物語が進んでいく。
そんな展開だと、視聴者はなんだか「冷めて」しまうこともあるかもしれません。
(まあ、具体的にはABとかそんな感じだった気がする)
そこを物語としてうまく消化して昇華させられたら問題はないんですが、この「他人スタンス」で問題そのものを無かったことにしてしまうと言うのは、ある意味うまいやり方なのかなぁと思いますね。


成り行きでなってしまったプリキュアを一年間続けて、自分の弱さと向き合うという試練を乗り越えもした。
引っ込み思案で内気だった少女は、大きな成長を遂げ、見つけた夢へ向かって歩き出す。
プリキュアの物語が終わって、ようやくつぼみの物語は動き出すんですね。