絶妙のセンス

TRPGって難しいなー。
うん、TRPG怖い(あくまで饅頭怖い的な意味で)。
かすみん先輩が日記で名前のことを書いていたので……、まあ向こうのBBSで大暴れさせて貰ったけれど、少々思うところを書いておこうかなと思わないでもないような。

ネーミングセンスって難しいと思う。僕は特に、自分の小説の名付けは頻繁に後悔しているので、本っ当に悩む。
個人的に、かすみん先輩のキャラの名付けセンスは結構好きなのです。それなりに由来……というか元ネタがあって、それを上手い具合に捻って耳に触り*1の良い名前に仕上げていると思う。スクレとかジークとか、正直脱帽なわけで……。
モンスターについても数えるほどしか出てきてないけれど、良いセンスしてるなーと思っています。密かに。
そんな名前の奴らがのびのびと活躍しているFAIRY☆TALEの世界も好きなわけですよ。


でも、TRPGと小説や漫画の創作物って多分似ているようで違うもので、組み方なんかも少々考え方を変えた方が良いのかなぁ、と時々思います。
小説や漫画は物語が勝手に進んでいくものです。文字さえ追えば、頁さえめくれば、物語は進んでいく。名前は時に記号としての役割すら希薄となって、物語はキャラの名前を認識していなくても外見と役割が分かっていれば勝手に進んでいくことさえある(特に漫画)。
あ、別に僕が人の名前を覚えるのが苦手ついでにキャラの名前を覚えるのも苦手だから、漫画やゲームをやった後にキャラの名前を忘れちゃってるとか、そんなわけじゃないよ。ほ、本当なんだからね!
閑話休題
TRPGでは、そうはいかない……とまではいかないまでも、そうじゃない方がきっと便利です。卓を囲んだメンバーが会話で進めていくのがTRPGであるので、何かと共通の認識が持てるに越したことは無いわけです。例えばドラゴン、と言えばそれなりに共通のステロタイプがあるし、サハギン、ラミア、グレムリンガーゴイル、ブロードソード、プレートアーマー。有名になったファンタジー的事象は色々あるわけで、そういうのを使わない手は無いなぁと思うのですよ。
短時間で認識する為には、既存の知識に味付けするだけで済むのが一番手軽。そして記憶にも残りやすい。
例えば、シナリオ途中で「アクアフィッシャー」というモンスターが現れたとします。GMによると、こいつは「いわゆるサハギンっぽいモンスターなんだけど、素潜りで魚を捕るのが得意な種族」ということです。なんとなく、こいつの命運って最終的に「サハギン似のアレ」になる気がしませんか? 勿論サハギンを知っている人にとっては、ですけれども。
いきなり新しい何かが突き付けられても、結局は今までの何かに結びつけられてしまう。それなら、元から「分かってるもの」を少々アレンジした方が、親切だと思うんですよね。さっきの例なら「サハギンフィッシャー」とか。
現実の世の中での名付けも、結構このパターンが多いような気がします。「ホオジロザメシュモクザメジンベエザメ」サメはサメと、「イヌワシオオワシ、ハゲワシ」鷲は鷲と。勿論そうじゃないケースだってありますけれど。
TRPGのセッションなんて刹那のもので、余程印象に残る役回りをして名前も印象づけるほど連呼しないと、変に凝ったものを提示したって「あの時のGMの誰某が作った……なんだったっけ、アレだよアレ」ってなっちゃうような気がするんですよね。
いやー……、難しい。
創作物はオリジナリティを追求するべきものである一方で、TRPGはシナリオには独創性を求めつつも道具には理解しやすい普遍性を求めなければならない。だからといってルルブをそのまま使うだけでは、想定ピタリの役割が全部(特にモンスター)用意されているとも限らないし、面白みも欠ける。うーん、さじ加減は絶妙のセンスが必要とされるのかなぁ。
いやはや。僕も今立てているシナリオ「暁の使者(仮題)」ではオリジナルのマジックアイテムを登場させようと考えているだけに、この辺り少々気配りが必要なのかなぁと。



あとは……シナリオも難しいですよねぇ……。
色々凝った設定を作ってもPLが突っ込んでくれなければ披露する隙すら無いとか……、敵キャラとの間に色々な因縁を考えては見たものの、どうやれば効果的な演出が出来るのか、とか。
小説や漫画では全キャラは基本的に自分の手のひらの上で思うがままに踊ってくれるわけで、「普通気付かないよね」というようなことに気付いて伏線やら罠やら色々回収してくれたりするわけですが……、他人にパンドラの箱を開けさせるというのはどうにも難しい。
NPCを巧く立ち回らせればいいとは思うのですが、それはそれでNPCもPLと絡みながら動かさなきゃならないし、そもそもどうやって違和感なく一緒に行動させるのか、から始まるわけです。
色々と考えるところはありますが、難しいですね。
いや、これも「暁の使者(仮題)」で色々と動かし方を悩んでいるキャラが数名いるから考えさせられるわけですよ。
さて……、土日ではちょっとシナリオの細かいところを詰めてみようかな。
一応短めのシナリオにするつもりではあるのですが、まだ核心と序論しかできて無くて、中身の味付けがさっぱり。
もうちょっと小イベントを整備してみよう。

*1:障りではないよ