ちりとてちんSP〜まいご3兄弟

見たぞ!
昨日の8時台は郵便馬車をプレイしていたのですが、その脇でウチのパソ子さんはしっかりと録画しててくれてた!
というわけで、ちりとてちんスペシャル版、まいご3兄弟を見たのです。
朝から先週のゴーオンジャー、キバ、でもってまいご3兄弟と、何だかテレビ三昧ですね……。
ともかく、今回のちりとてちんスピンオフ「まいご3兄弟」は若狭の両親が喧嘩をした時の夫婦落語会の時期、あの時小浜に手伝いに来ていた草原、小草若、四草が小浜から大阪へと帰る時の話。
いや〜、藤本有紀さん、さすが。面白い+じんと来る+面白い。まるでまるでサンドウィッチのような、とってもちりとてちんらしい43分でありました。
久しぶりに見た徒然亭の面々はやっぱりよかったですね!
細々とした感想は追記で。
まず、なんていうかいきなりガス欠からはいる辺りのベタさが良い。そういう「ねーよwww」的なノリを平気でやって、かつ違和感なく融和するっていうのがちりとてちんワールドですよね。今晩中に帰れ帰れと急かす小草若、草原に対してここで夜を明かせばいいじゃないかという四草。この時点で完璧に兄さんたちに騙されていた四草+よしけむ。それについてはまた後で。
そして、車を置いて歩いて近所の家の戸を叩く。まず「ここどこですか?」から。3兄弟がたどり着いたのは滋賀県安曇川、扇子の骨、扇骨の生産日本一の地域でした。そうやって伝統産業を小道具として使うのも、若狭塗り箸を話の小道具として輝かせたちりとてちんらしさがあって、ファンとしてはまず「おお来た来た」と心躍るわけですよね。
戸を叩いた家は扇骨作りの萬さんの家でした。そこに泊めて貰うことになった3兄弟。おかみさんが地酒とフナ寿司なんか出しちゃうものだから良い感じに酔っぱらっちゃって大騒ぎ。この辺り、兄弟子として今ひとつ締まりきらない草原兄さんがとっても良い感じでニヤニヤでした。
一人先に寝てしまおうとする四草を寝かさず無理矢理酒に付き合わせて、夜は更けていく。しかし何かとあっては五月蠅くなってしまってその度に怒られる状況に、四草はいつものように「賭けましょか」と。来たよキメ台詞。四草が静かになるような話を出来たら勝ち。例によって賭けるものはきつねうどん。うん、あまりにいつも通り過ぎてニヤニヤが止まりません。
四草の身の上話と称して始まるのは、父親の呉服屋が潰れてから妾だった母親が苦労して女手一つで自分を育ててくれたという苦労話。って、あれ? 四草の母親って一生遊んで暮らせる金を貰ってるんじゃなかったっけ、というみんなのツッコミは小草若が代わってくれましたが、曰く「あの時(弟子入りの時)は舐められたくなかった」とのこと。流石に上手い。思わず納得してしまいそうでした。
さて、そんな四草の話でしんみりなったところに、話を聞いていた萬さんがやってきます。曰く「その呉服屋の父親は自分だ。今まで苦労させて悪かった、忍(四草の本名)」と。うわー、なんて偶然。……でも、アレは嘘ですよね。そう思って見ていたらやはり案の定でしたが、中華料理屋でバイトしていた時分に出会った同名の忍氏の話を脚色して話したことだったとのこと。それにしても偶然は凄いものを招き寄せますね。なんとなく場がやるせなくなって、その場は解散。小草若なんかは布団に入って寝てしまう。
そして、十二時がやってくる。一人帰るところも持たない、と珍しく弱音を吐く四草の元に障子越しに聞こえてきたのは何だかへたくそなバースデーソングby草原&小草若。四草の誕生日を祝う会を寝床で用意しているはずだったのに、とのこと。いや、ここは泣くところでしょ。こういう場面でじわっと泣かせちゃうのがちりとてちんの良いところ……っていうか、泣きました。あうー。今日中に帰れと言うのも、それから一人寝てしまう四草を無理矢理起こしていたのも、弟子入り十年目の誕生日を祝う為だったんですね。うわーん。四草にはもうちゃんとふるさとがあるじゃないか。それでいいじゃないか。それがいいじゃないか。
ここまででも充分良い出来だったと思うんですが、やっぱり僕は最後に萬さんが前夜の「自分の呉服屋が潰れて〜」と言う話が嘘だった、と言ったところがとてもちりとてちんらしいと思ったんですよね。ただいい話で終わらず、更にそこに色々な心遣いや、嘘VS嘘の構図を作り出すところ。やっぱりそういう芸の細かさが良いですよね。
そんな話が草々の創作落語という形式で語られたまいご3兄弟というお話。いやー、よかった。更に続編をして欲しいくらい。っていうか、ちりとてちん2やろうよ! ねえ、お願いNHK