笑えないチェーンメールはただの豚だ

今、京大でチェーンメールがアツい。
京大生がチェーンメールに盛大に踊らされておるようです。まあ、なんて言うか意外。まず、チェーンメールっていうものが未だに世の中には存在していたというのが意外で、京大生がぽんぽんと引っかかってしまうのも意外でしたね。
内容は「友達の弟の誰それ君が急性リンパ性白血病を発症してRHマイナスBの血液が足りないから云々」というものですが……、こんなチェーンメールを情にほだされて流しちゃう京大生は純情ですね。
僕は割と汚れてる人間なので「友達の弟」あたりで読む気減退しました。
交友関係が狭いと自負する僕でさえ、今日3通の同内容のメールを受け取りまして……、一体どれだけ流行したのか気になるところですな。仕掛け人はきっと笑みが止まらんことでしょう。
正直言って、病気ネタのチェーンメールは反吐が出ます。病気をネタに悪戯をするって言うのは、本当にその病気にかかっている人に対する侮辱以外の何者でもないでしょう。このメールの仕掛け人は全国の急性リンパ性白血病患者とその家族に謝るべきです。
因みにこのメール、何パターンかあるみたいです。あるメールアドレスが書かれているもの、献血してくださいというものの二つは僕の所に来ましたが、はてさて、色々考える者ですね。
こういうのは……、でも基本的には騙される方が悪いんでしょうね。ちょっと考えればおかしい点がいくつも見受けられますから(苦笑)。
百万歩譲って本物だったとしても、信憑性のない書式で書いた起草者が悪いですよ。誰がどう見てもチェーンメールの悪戯(あ、騙されている人がいる以上そうとも言えないのか)なのですから。コンビニにフルフェイスヘルメットを被って入っていったところを押さえつけられても、文句は言えないでしょう。それと一緒ですよ。信憑性を持たせるならせめて起草者のフルネームとメール・電話番号くらいは欲しかったですね。
因みに急性リンパ性白血病の治療は基本投薬、あとは骨髄移植らしいです。となるといよいよもって献血メールはギャグです。一千万歩譲って血液不足を補う為の輸血が必要だとしましょう。Rhマイナスの血液が出る確率は非常に低いです。1/200だとか。とは言っても、日本の人口は1億2千万。60万人はRhマイナスになる計算なわけですよ。しかも日本の場合はRhマイナス血液保持者は血液センターで血液提供者としてある程度登録されていますから、本当に必要ならきちんとしたバックアップ体制の元ちゃんと血液は提供されます。
チェーンメール起草者とそれに騙された人たちに敢えて言う。日本の医療を舐めるな、と。

それにしても、アレですね。知り合いからチェーンメールが回されてくるのって、結構哀しくなりますね。
僕は昔、小学校の多分6年生の時だったと思うんですが、当時の友達が不幸の手紙だったかのチェーンメールを回してきて、よく分からない(というかバカらしい)から僕自身が回すことはせずに放って置いたんですが、後日その友達が親に引き連れられて謝りに来ましてね、当時の僕自身は何とも感じてなかったので、謝られてもどう反応していいやらかえって当惑していたような記憶があります。さらに、当時そのチェーンメールを見た父親が、メール内容の嘘くささを僕に解説してくれまして、もともと信じていなかったのですが改めて「あほらし」と思ったような記憶があります。確かそのメールの内容は「このメールが誰に届いているか、次に誰に送られているかは監視下にあります。10人に同じ内容のメールを送らないと云々」というものだったような気がするんですけれども……、メールのヘッダ情報にどこからどういう通信経路でメールがやってきているのかが記載されているのは事実として、それを一番最初の送り主(または全く別の第三者)が監視し続けることが不可能なんてのは当然なんですよね。当時まだISDNが流行りだした頃でセキュリティ云々はそんなに声高には言われていなかった時代でしたが……、まあプロバイダの最低限のセキュリティ舐めるなと、あとテクノロジーの微妙な進化度合い舐めるな(というかビビリ過ぎるな)と。
少し冷静に考えればチェーンメールって簡単におかしいことが分かるものなんですよね。だから、こう言う時変に感情的にならずに冷静に対処できるかがこれからの世の中を渡っていく上では必要なんでしょうね。そんな大袈裟に言わなくても、チェーンメールなんて回すものじゃない、ということをきちんと分かっていれば問題ないんですが。
そもそも、チェーンメール公序良俗に照らしてあまり宜しくないということを、みんな分かってないのでしょうかね。流行ったのも大分昔だからそもそもそう言う悪戯があるって知らないのかも知れませんけれども。
なんて偉そうに書けるほど僕も知ってるワケじゃありませんがね(苦笑)
因みに、僕がそもそも急性リンパ性白血病やRhマイナス型血液のサポート体制についてそんなに知っていたはずもなく、今回のをきっかけにちょろっとぐーぐる先生に訊いてみたわけですが、これもある意味立派に「チェーンメールに踊らされている」ワケです(苦笑) 知っておいて損はない、と打算的に踊ってみたワケですが。

どうにも寝付けないからぼーっと書いていたのですが、好い加減に眠気が増してきたのでそろそろ寝ます。
皆さんも情報の選別にはご注意を〜♪



追記。
昔、輸血系のチェーンメールで大騒動になったことがあったらしい。
http://www.president.co.jp/pre/20000703/02.html
実在の病院に問い合わせがあって、病院の診療業務に支障が出たほどだったらしいです。今回のメールに書かれてる病院にもやたら問い合わせがあって公式声明で否定しているようです。
この記事の最後にも書かれていますけれど、昔はインターネットをやっている人というのはある程度作法と知識を知る人たちだったのに、今となっては(この事件2000年でさえそうなのだから、2008年現在はもっと)日常の一部としてマナーも何も知らずにインターネットに触れている人は多いでしょう。もっと言うなら携帯電話のメール作法なんてあってなきがごとし。一体誰がネチケットを気にしながら携帯電話を弄りましょうか。
それで、多くの場合は不都合はない。友人同士が数行のメールを分単位でやりとりするのはもはや日常的に繰り返されていることですし、確かにネットワークには結構負荷が掛かるんでしょうけども、まあ大きく取りあげるほどの問題でもないでしょう。
けれども、当たり前に理解しておくべきことを理解しないままで便利なツールを使っていると、たまにこういった間違いが起きる。常識を知ってさえいれば犯さない過ちを犯す。
最近、似たようなことを自動車教習所でたまに感じます。自転車は身近にある当たり前のツールとして使っているにもかかわらず、軽車両運行に当たって必要な道路関係の法律を如何に知らなかったのか! 明日模擬学科試験を受けるに当たってテスト勉強した身で振り返ると、ああなんと恐ろしいことでしょう。ホント、偶然今まで事故に遭わなくて良かった。それもこれも優秀な自動車ドライバーが細心の注意を払っていてくれたお陰です。
でも、インターネットはそうは行かない。いかにマナーや作法を知っている上級者が注意を払ったところで、チェーンメールが流れる時は流れてしまう。防ぐには、もっとみんなちゃんと考えないと行けないのかも知れませんね。なんて言っていたら伊坂幸太郎「魔王」を思い出しました。考えろ、考えるんだ、マグガイバー。
エントリが長く延びてるなー。誰がどう見ても踊らされています。本当にあr(ry