桜と言えば遠山の人と高町なのは〜約束の空へ〜

魔法少女リリカルなのはと言えば桜なのです。ほら、一期OPを思い出してください。ラストで桜が舞い散り、その下から現れてくるポップなフォントの「なのは」の文字。熱血魔法バトルアクションの雰囲気はかけらもありません(爆)。とりあえず私はStS最終回を見終えた後一期OPをNC版で見直しました。そして若き(幼き)日のなのはさんとかを見て(以下自粛)。
さて、しかし、魔法少女リリカルなのはStrikerSもとうとう最終回を迎えてしまいました。
前回「ファイナル・リミット」では、ラストでなのはとはやてがAMF全開で魔力結合が立たれて非常にピンチになったところで、他のメンバーが救出に向かうと言う終わり方でしたね。「AMFが重い」というような描写はあっても、結局六課メンバーは超一流だったり対AMF戦をたたき込まれてたりで実際にAMFがここまで威力を発揮したのはフォワード陣の訓練初回以来じゃないかと思いました。
さて、前振りはこの辺にして、以下続き記法で感想ばりばり行きますよ。

師匠を弟子が助けるという構図

前回の感想でちょこっと書いてたんですが、StrikerSは基本的に二軸構成ですよね。フォワード陣がリアルタイムで成長していく話と、なのは達がその成長した力を存分に発揮していく話。勿論話の中心部はかなりフォワード陣に割かれていたわけですが。
多くの、こういった成長の物語において欠かせない構図に、師匠を弟子が超える瞬間、或いは越えないにしても同じ高さに並び、窮地を救う瞬間というものがあると思います。初期の武装錬金パピヨン編でカズキが独りでパピヨンに挑み斗貴子を救うという構図はまさにその典型的なものと言えるでしょう。
今回は、戦闘機人達を倒すこととなのは達を救うことが直接結ばれているわけではない上、六課の各メンバーはそれぞれ別個に敵に当たっていたため、それぞれが前面の敵を倒したとしてもそれは師匠(なのはやフェイト)に並ぶとかそう言うこととは全く無縁のなんです。そんな中で彼らが師匠に並ぶ瞬間を演出するためにはどうするべきなのかという問題が発生します。ここで、なのはがSLB後の超消耗状態、はやてともども魔力結合が断たれてどうにもならず、フェイトも拠点ごと爆破されかねないという危険な状況に追い込みそれをフォワード陣が救うという、まさに窮地もその人がいればどうにかなってしまうと思えるStriker的役割を彼らに振るわけですね。
一般魔導士部隊はそもそも役に立たないし、ヴィータやシャッハ、ヴェロッサなどの「頼れる大人達」もそれぞれで手一杯に近い(ロッサは割と余裕があった気もするけど探索向きレアスキル持ちなだけで基本的には戦力じゃないし)状況で、動けるのがフォワード陣四人くらいしかいないと言う状況になっていたわけです。そこで彼らが今まで培ってきた技術を生かして、「助けて貰ってた」人たちを「助ける」という構図が出来、ある一面において弟子が師匠に並ぶ瞬間が演出されたわけですね。
窮地を救うと言うことで、ここでようやくストライカーの伏線が回収されましたね。エースをストライカーが助けるという、まさに二つの称号の違いを綺麗に対比した状況ですよね。エースはエース・オブ・エースのなのはさんを見ての通り、みんなから「お願いします! 期待してます!」と言われて期待を一身に背負って出撃し、期待通りかそれ以上の成果を上げてくる人のことです。一方のストライカーは、窮地に立たされてもそれを逆転してしまう力強さを持つ魔導士のこと。今回隊長格三人の窮地を助けたスバル達の働きは(後に触れるが特にスバル)まさにストライカーと言えるんじゃないでしょうか。
さて、では個々の動き。
まずなのは&はやて救出組。ポイントは、ウィングロードとバイクと戦闘機人モードでしょう。AMFが全開と言うことは、要するに魔導士=ただの人。ベルカ式騎士ならまだ少しは戦えるかも知れませんけどミッド式では本当に手も足もでない状況ですね。「機動六課のある休日」でティア達がバイクで出かけていたのがこんなところで生きてくるとは予想だにしませんでした。確かに、スバル独りならウィングロードとMCでつっこんでいけるかも知れませんが、それではなのは+ヴィヴィオ+はやての三人をまとめて救出するのはちょっと無理ですね(まあリィンはどうにでもなるとして)。そこを二人してバイクでつっこんでいって、魔力が使えない状況下で戦闘機人モード全開というのは、スバルにしかできないストライカーとしての働き。魔導士が絶望的と思ってしまう状況でも、その身に秘めたる「もう一つの力」によってその窮地を逆転できる(ちょっと反則くさいけど)一級ストライカーでしょう。ある意味はやてみたいなレアスキル持ちと近い「便利アイテム」化しかねないケースであることは否めませんけれど。あとは、開始当初から言われてましたが、ダブルリボルバーナックル。うん、格好良いし、多分振動破砕をもっとも効率よく生かせるのがリボルバーナックルなんですね。
一方のフェイト救出組。こちらも最初の方でちらっと出た元を再び生かすという構図。拠点の崩壊を何とか止めたものの、集中していた状態から不意打ち的な落石を見舞いかけてフェイト危うしというところを、多分第二話以来のフラッシュムーブで救ったエリオ。キャロを助けた時は失敗してしまったフラッシュムーブも今ではきちんと使いこなせて、フェイトままをきちんと助けてます。まあ、でもこっちはあくまで脇役的なのでその程度。

他の六課メンバーの最後の見せ場

アルトは前回リィンをお届けするという役割を果たしたとして、ヴァイス君が良い働きをしてますね。AMFを貫く魔砲弾、ってーと多分訓練初回でティアが披露した「フィールド系防御を突き抜ける多重弾殻射撃(バリアブル・シュート)」、AAランク魔導士のスキルですね。まあティアはその後ガジェット戦で奴らを普通に打ち抜いてたので、使いこなしていたんでしょうけれど、それを使えるヴァイスもまたAAランク級ということですよね。
後は、シグナム! アギトinシグナム! この二人は最初っから絶対組むことになるだろうとは思ってましたが、烈火の騎士と烈火の剣精のコンビは最強ですね。敵がガジェットだから今ひとつ凄さが伝わりにくいんですけど、まさに一騎当千の働きで片端から蹴散らしていく様はすげー。剣閃烈火火竜一閃! 夜天の魔導書が作り出した守護騎士であるシグナムと相性がぴたりというアギトの宿命は、幸福となれる可能性が極めて限られた茨の道とも言えるでしょう。けれど、不思議な運命の交錯がここで二人を出会わせた。なんかこういうの好きです。
結局、ヴィータたちヴォルケンズの体が人間に近づいている(というか人間離れした回復力などが消えつつある)という伏線は、一休みして回復したヴィータがなのはを助けに行く、と言うわけにはいかないという点で重要だったようですね。

事件後、事後処理

アインへリアルは死に設定でした。スバル母のところへ花を添えに来たオーリスは、もっと活躍すると思ったんですけれどねぇ……。最後に集結した艦隊でもゆりかご破壊が出来ないところを、「任せてください。しでかしたことの責任は取ります」とか言ってオーリスがアインへリアル起動&発射! とか。そこまで引っ張ると窮地が多すぎですか。まあ、レジアスとオーリスの小物っぷりはちょっとビックリでした。そう言えば、艦隊が撃ってたのはきっとアルカンシェルですよね。
そして、桜の季節という演出。よく考えたら桜は第97世界のものであって、ミッドチルダには存在してないものなんですよね、というのをスバル達の台詞で思い出しました。まあ、出会いと別れの季節で桜というのは存外悪くないです。A'sは雲を切り裂く空戦というコンセプト(しかもクリスマスシーズン)で桜の出る幕はSS3位のものでしたが、こうして一期を解雇する桜エンドを迎えるというのはシリーズ完結作品(多分)としては良い閉め方ですよね。
そして模擬戦。なのはさんヴィータちゃん、ちょっと待てぇぇええええ! お前ら絶対オーバーリミット全開だろ! 六課解散により部隊で持てる戦力の上限が無くなってリミッターが外れてるから、要するに全力全壊手加減無しなわけで……、フェイトの心配もわかるって話ですよ。そのフェイトもちゃっかり真・ソニックフォームだし。死ねるよ、それ。まあ、流石にブラスターは無いと思うにせよ、多分RHは限定解除モードではないエクセリオンモード。ヴィータドリル全開。後に聞くところによると二次会にはフォワード陣の姿がなかったとかwww まあ、一応非殺傷設定*1でBJ貫かないように加減はしてるだろうから、その心配はないでしょうが……。それにしても超強固な結界を張らないとやばいよなー、ユーノ君居なくて大丈夫?

And Afterwards

スバルとティアは、訓練校時代からの名コンビであるとは言え、元々は互いの目標が違うことを納得の上で組んだコンビ(コミックス参照)。となるといずれ違う道へ進むことになるのはわかっていた宿命。まあ、でも六課メンバーが割と近場で働いていることにほっと一安心です。アギトとシグナムが組んでるのもいい!
ルーのその後が「無人惑星」ってのが気になって仕方がない。母親が居るから良いとしても、上層教育上あまり良くないのでは?
キャロとエリオが居る自然保護隊については、多分コミックスを読んでいない人には何が何だかわからないでしょう。コミックスによると、キャロは六課に来る前は自然保護隊で働いていて、自然と調和するような感じに非常に良い働きをしていたんです。六課に来るに当たって涙の別れなんかもあったんですが、そこへ戻ることになってこれは一つの幸せでしょうね。旦那様も一緒だしw もともと、六課に来たのも育ての親のフェイトさんに必要とされているから、というような感じの動機だったようですし。ただ、既に一級魔導士と言っても過言ではないエリオとキャロを良く地上本部がそんなところへ手放したな、というのは思ってしまうこと。まあ、二人ともまだ子どもですし、多分いずれは本局からスカウトが……。
高町ヴィヴィオ SLBを受けきったご褒美w ヴィヴィオ可愛いよ。そして親馬鹿。もう言うことはありません。えっと、アルフとなのはとユーノが居るってことは……、えっと、高町家はなのはママがいて、フェイトママがいて、ユーノパパがいるんだね。相変わらず複雑な三角関係だ……。*2
スバルはちゃんと夢を果たしましたね。危機に瀕している人を一人でも助けたい、災害救助の道へと。彼女にはウィングロードがあるから実質的には空戦も可能ですし、ホント、一級の災害救助魔導士になれると思いますよ。そして、「安全な場所まで一直線だから」とかつて自分が言われた言葉を今度は自分が言ってあげる番に。うん、いいね、いいね。
大体最終回の感想はこんな感じですかね。もうこれはこれ以降続く余地はないと思う、というか、仮にやっても蛇足にしかならないかなと思うわけです。まあ、その後の話をちょろっとボーナス版みたいな感じで見たい気はするんですけどね。スバルが災害救助に向かっていたら、そこに執務官の仕事で来ていたティアとばったり鉢合わせ、共同で事件を解決していくみたいな。まあ、でもいいか。


リリカルなのはStrikerS。終わったわけですが、多分またいずれ総括的なのを書く気がしないでもない。
それにしても……、長っ。

*1:A's The Comicsの模擬戦参照

*2:勿論フェイト→なのは←ユーノですよ?