オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White

冲方丁シュピーゲルプロジェクト。元々はこっちが発端だとか。
面白いけれど、個人的にはスプライトの方が好きかなぁ……。それぞれに登場人物は個性的だし、話としても面白いのですが、スプライトの方がグロテスクや艶めかしさが控えめでスッキリしている、ということで要するにyoshikemのガキ思考に合っている気がします。

舞台は、スプライトシュピーゲルと同じくミリオポリス=十数年後のオーストリア
MPB/ミリオポリス憲兵大隊=膿んだ都市にもたらされる凶悪犯罪/テロに対抗する国家の犬。
MPB配下の特殊装甲義肢児童/ケルベルス/涼月+陽炎+夕霧=それぞれの使命感の下で、それぞれの過去を背負い、都市を守るべく戦う犬/少女。
犬の戦い/地上戦術による白兵戦=スプライトの様な巨大ロボットバトルではない/緻密な戦いと確かな緊張感。
……やっぱりスプライトシュピーゲルみたいな書き方は無理です。
僕がスプライトの方が好きな理由の1つには、あっちの方がバトルが派手って言うのがあるかもしれませんね。具体的には「ダダダダダダダダダダッ!」
とは言え、オイレンシュピーゲルの方にも沢山良さがあります。
個人的には陽炎が大好きですね。あ、エロス方面は除くとして……。第二話の「Red it be」でのスナイパーとの狙撃戦で見せた緊張感は何ともたまりませんでした。一瞬のスキが命を奪う、というのは特甲児童たちにとってはいつも付きまとう事柄ではあるのですが、その全ての「死に繋がる一瞬」の中で、もっともゾクっとなったのが射手を相手取った時の紅犬こと陽炎の戦闘。
スプライトシュピーゲルを見ていると、何となく特甲の装備なら基本的にはプリンチップ社を圧倒できる様な気がしているんですが、オイレンシュピーゲルではちょっとパワーバランスが違う感じがしますね。ケルベルスの方がフォイエル・スプライトより厳しい戦いを強いられているという気も。
次巻もまたまた楽しみなのです♪