パスワード怪盗ダルジュロス伝

ネロ=レイさんの外伝。ってよく考えたら似通った時期に出ているパスワードシリーズと夢水さんシリーズが共に外伝だったわけですか。何の偶然?
ともあれ、これも青い鳥文庫でいつまでも好きなパソコン通信探偵団事件ノート。もはや「パソコン通信」って死語だとか気にしない。シリーズ開始当初はニフティサーブパソコン通信とか、そんな時代だったんですよ。
さて……、今回のポイントはなんと言っても紅茶博士の田中一茶君でしょ(違う?)。
いつもマコトとみずきでやってるラブコメ要素をこんなところで補うとは……。うぅむ。やはりパソコン通信探偵団事件ノートは密かに恋愛小説だと思います。あ、恋愛メインではないか。

今回はなにやらパズル作家の方が幾つかパズルを出題されたらしくて、……どうなんだろう、パズルが易化したと言う気もしないでもない。
いつものはひねりが効いていてただただ圧倒されるのですけどさっぱり分からないんです。今回のはクイズ番組で見るみたいに、三門に二問くらいは「あ!」と閃けるレベルで、読んでいて解く楽しみはいつもより味わえた気がしますね。ただその分、謎に困らされている探偵以外の登場人物や、謎に悩まされてきた歴史のリアリティが薄れちゃっている気がしますかね……。

パスワード幽霊ツアーの裏番組的にマコトたち電子探偵団と別れてパリに来たレイと田中一茶は、泊めて貰う家で「怪盗ダルジュロス」なる人物から予告状が届いたという話を聞き、怪盗より先に家に隠された秘宝を探し出そうと乗り出します、と言う話なのですが、よく考えたら絡繰りのヒントは初めから所々にちりばめられて居るんですよね。
多分、同じように予告状を出す「怪盗クイーン」の話なんかと見比べたらあっさり真相に気づけるような気もします。気づけなかった人間が言うのも何ですが……。
事件解決後、まあ一茶さんのラブコメやら色々あったのはとりあえず置いておくにして、帰路についたレイなのですが、実は事件はまだまだ終わっていなかった……というか終わりは始まり、という一つの典型でしょうか、事件の解決が新たな事件の始まりだったようです。
電子探偵団中学編と同時進行でこっちの事件もまだまだ続くようで、とても楽しみです♪