特別講義、分子人類学の話

国立科学研究所の人類研究部室長の先生が来ての特別講義が今日明日でありまして、興味をそそられたので結局聴講してきました。
生物系に進む気なんてさらさら無い自分ですが、幼少期の少年にありがちなこととして一度は考古学者になることを夢見た類の人間でありまして……、DNAから人類の起源を辿るなんて話には結構興味を抱いてしまうわけですよ。
篠田教授という方が来られたのですが、先生がなさっていることはミトコンドリアのDNAを調べるということです。ミトコンドリアのDNAは塩基数が16,500ほどらしく、結構ラクに全塩基配列が決められるらしいです。それで変異の様子などを調べて、ハプログループというグループ分けをすると色々分かる、というものでした。
今日の内容は、そのハプログループやミトコンドリアDNAの説明、ハプログループの世界的分布図やそれから見るインドやヨーロッパ、アジアの人類の到達経路についてなど。最終的には日本人のハプログループ、そして日本の中でも特異性を示す沖縄と北海道の人についての研究などの紹介がありました。
ミトコンドリア・イヴの話などもあり、ジーンダイバーを思い出しましたねぇ、その時は。
ミトコンドリアDNA以外にもY染色体によるハプログループの話などもあり、またY染色体ミトコンドリアの伝搬(つまり男性DNAと女性DNAの伝搬)の仕方が違うという話などは文化の話などにも絡む様な気がして、約三時間半の講義をとても面白く聞かせて頂きました。
因みに僕はミトコンドリアが母からしか遺伝しない、なんてことまるで知りませんでした。
明日は午前二時間午後四時間、結構楽しみです。

追記:
そう言えば、ミトコンドリア・イヴのハプログループはLで、アフリカの殆どの人たちがハプログループLに属するそうです。
そんなことを聞いていて、「私は”L”です」が頭に浮かんでくるなんて、どうなんだろう……;