ディベート語り-3→メリットあれこれ(1)

ディベートの準備段階で悩む、と言えば立論を構成することですよね。
その際には勿論どんなメリット・デメリットを軸にするかというのが非常に重要ですよね。
例えば肯定側の立論を組むとして、どんなメリットを採用するか考えてみたいと思います。
その際に、メリットを大きく3種類に分けて考えてみます。その3種類というのは《定量的なメリット》《定性的なメリット》《倫理的なメリット》です。
前者二つと三つ目はその性格が大きく異なります。そのメリットそのものとしても、第二反駁へ繋げる戦略面でも。
というわけでまずは定量、定性の話から見てみたいと思います。

定量的なメリット

定量的なメリットと言えば、とりあえず発生過程で証拠資料をバンバン使ってとにかくきちっとメリットを立証する。そして量としてきちんと成立したメリットで、「こんなことが起きるから重要なんです」と主張するタイプのメリットですね。
例えば道州制論題で言うなら、「経済を効率化することで財政黒字がでる」というメリットなどはその例です。欧米での資料なんかを引き合いに出して、実際に黒字の額をきちんと示してメリットとして主張するという感じですよね。
この手のメリットはとりあえず発生過程をきちんと守りきるのが重要ですよね。普通出てくる数字は必ず重要なものだから重要性が潰れることは希ですし。
逆に攻める方としては発生過程を徹底的に潰してしまえば、メリットを潰すのは容易ですね。その具体的手段として、証拠資料が立論のケースに当てはまらないということを言うというのは使える手です。
例えば外国の例を証拠資料に使った場合、その資料にあがっている国と日本との違いを述べて、同様の効果は得られないということを言えば発生過程は潰れます。経済学者の試算などを使った立論にしても、前提条件が違う点をつけば発生過程を潰すことが出来ます。
ディベートで最後まで議論すると発生過程が綺麗に残るって珍しいんですよね……。なんでこの手のメリットは残りにくい、なかなか使いにくいメリットだったりします。
最終的に第二反駁が「わずかには起きるんですよ」と言ったとして……、重要そうには聞こえませんからね(汗)