マテリアルゴースト

マテリアルゴースト (富士見ファンタジア文庫)
葵せきなさんのデビュー作「マテリアルゴースト」は第17回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作品です。
先週発売の本で、センターの日に一回試験場まで行って時間があるからTSUTAYAに走ったのに、結局無くて、買ったのは翌月曜日、でもってさらに結局今日まで読んでなかったとか言う。
まあ、それはよしとして。
直訳すると物質幽霊、なんじゃそりゃって感じですよね。
まあその秘密は読み出したら結構すぐに明かされるんですけど。
「死にてぇ」が口癖の主人公は自殺志願者、という一風変わった設定で、暗いのかなぁと思わせつつも全然暗くないというのが、この小説の不思議なところでもあり魅力でもあります。
解説にも書かれてるんですが、本当に、自殺志願者が主人公っていうノリじゃないんですよね。
確かに、ところどころ主人公の蛍の暗さに「オイオイ」と言いたくなってしまうトコロはありますが基本的にそんなに暗くない。
冒頭で主人公自ら「僕は自殺志願者だがMではない」と述べてるんですけど、わざわざそんなことを考えるくらいの変わり者ですから、自殺志願者としても普通じゃない。
実際、色々と主人公達の初期設定がかなり突飛で、あり得ない〜と思わないでもないんですがそこはそこ。
それらの設定を十二分に生かして魅力あふれる物語が展開されていきます。
明日からは他の二冊の受賞作、まずは逆襲の魔王から読んでいこうかと思ってます。
ここ数年、ちょっと王様モノが出てきてますね。
いわなぎ一葉さんの女王シリーズや、淡路帆希さんの紅牙のルビーウルフなど。
ちょっとネタとして被ってないかが心配なところではありますが、過去に破れた魔王が主人公って辺りに意外性が見え隠れして、期待大なんですよね。