楓の剣!

楓の剣! (富士見ミステリー文庫)
うってかわってこちらはラノベ
夕べまでに八割方読んでいたラッシュライフを午前中に読み切って、午後からは富士見ミステリー対象の佳作作品であるこの「楓の剣!」を読んでいました。
こちらも、作家を目指すモノとしてあこがれを感じる作品でした。
江戸を舞台に繰り広げられる時代小説ファンタジー、時代は文化文政、刀も魔物もでてくる痛快ファンタジーなんですが、言葉遣いが凄い。
普通のラノベには「無聊を囲う」とか「悋気」とか出て来ないでしょ。
江戸を意識してなのか元々このかたやま和華さんがそうなのかはよく判りませんが、日本語の美しさを所々に感じる文体でしたね。
それなのに、耳慣れない言葉を沢山使っているのに決してリズムは悪くない。
結構すすーっと読めるんですよ、これが。
はじめの方が結構思わせぶりな点が多い、或いは伏線を大きく書きすぎという様な気もするんですが、通して見てみれば非常にすっきりする元気爽快な物語でした。
かといって、元気なだけでなくちょっと複雑な人間事情を交えたドラマもあったりするんですけどね。
目標にしたい新人作家の一人だと思いました。