犬は「びよ」と鳴いていた

犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬音語・擬態語が面白い (光文社新書)
図書館で背表紙を見て一瞬、「えっ?」と思わされました。
何となく気まぐれで日本語関係の本のコーナーに行ったら偶々目にとまった本。
日本語好きの自分としては、まあ見逃すわけにはいきませんね。
と言うわけで、今年の新書開きはこの『犬は「びよ」と鳴いていた』でした。
そう、今まで新書を全然読んでいなかったというこの驚愕の事実。吃驚。
それで、本の方ですが非常に面白かったです。興味深い事実ばかり。
まあ、タイトルにしてるくらいだから嘘なはずもないんですけど、本当に昔犬は「びよ」と鳴いているとされてたらしいですねぇ。
今でも言われてみればなるほど、遠吠えなんかは「びよ〜」と聞こえないでもない。
他にも、冒頭では擬音語擬態語の持つ特色や、掛詞との関連性について触れられていたり、実は日本語で一番やっかいな部類なのに「日本人は感覚的にわかってしまうからあまり研究対象にされていない」という事実についての著者の考えが述べられていたりします。
僕にとって、擬音語・擬態語というのはひょっとしたら最も深く考えなければならない研究対象化も知れません。
何故って、それは音を書きたいと思っているから。
今「五度の調和」で挑戦中なんですが、僕は音を書く小説、音が聞こえる小説、と言うものを書きたいと思っています。
それが果たして、楽器の音を擬音語で表現せずとも可能なのか否なのか。
わかりませんが、そんなyoshikemの擬音語探訪の旅の、重要な一里塚になったかな、と思える一冊でした。