月見れば千々にものこそ悲しけれ

我が身一つの秋にはあらねど
詠み人の大江千里って、現代でも普通に通じる名前だと思います。
さて、中秋の名月ですね。目下私の右手に、仰角50度くらいかなぁ……、割と丸っぽく見える月がぽっかりと浮かんでいて、とても綺麗です。
月が丸いと魔性が呼ばれ、人の心を狂わせる。いえいえ、私は至って正気ですよ。


〆=大覚寺の話
竜頭の観月小舟
本日は大覚寺の観月会に行ってきたのですよ。
大覚寺、またの名を旧嵯峨御所。南北朝時代にはまさに南朝その場所、御所として機能していた場所で、流石にお寺さんの中は芸術的な造型が所々に見られ、「文化財」の但し書きも山のよう。
個人的には障子の下の木の部分に描かれていたウサギたちの印象が強いですね。目が赤い!
大覚寺の観月会では舟席なるものがありまして、屋形船(というには少し小規模ですが)に乗って境内の大沢池を巡り、更に月(+水面に映る月や蓮)を愛でるという非常に風流なイベントです。涼さんプロデュースで我々名称未定一行はそれに行ったわけですが、はい、非常に良かったです。
小舟でのんびりと池を揺られながら、抹茶と茶菓子を頂き、更に大覚寺にまつわるちょっとした話を聞きながら頭上にぽっかり浮かぶ月や水面に揺れる月を眺める。
こんな贅沢はありませんね。
天気が心配されてはいましたが、夕方雲勝ちだった空も日が落ちる頃には雲が消え、闇にとっぷり落ちた星空。素晴らしい月の眺めはまさに最上級の美術品のごとし。
うーん、精力補充完了、みたいな感じです。
乗った舟なんですが、大覚寺には平安時代から伝わる舟が二艘あって、それを池に浮かべてぷかぷかと巡っていたのですがその意匠がまた何とも言えず良い感じでした。
片や竜頭と言って龍の頭を船首に携えた舟(写真)。片や鷁首(げきす)と言って、鷁(げき)という鷺に似た中国の想像上の鳥を船首に携えた舟。これがまたいずれもなかなか風情がある。因みに鷁と言う鳥は、水を司る神様らしいです。
舟に乗る前は鷁を朱雀と勘違いしていて、龍と朱雀では四神の玄武と白虎はどうなるんだ、とか、龍と朱雀だけが居てそもそも四神ではないとか色々話をしていたのですが、船上で説明を聞いて納得です。
そして鷁と聞いて激気と変換されたのは秘密です。滾れ!獣の力!ビースト・オン!
あと、おみやげ屋さんの竹細工印鑑にかなり惹かれた、されど買わず。


〆=囚人系バーの話
大覚寺を後にして四条河原町界隈で晩ご飯を食したお店もこれまたツッコミどころ満載というか何というか……。
ロックアップというお店だったのですが……、囚人系個室バー、とでも言えばいいのでしょうか。
入り口を入ると、なにやらUSJとか千葉ネズミーランドとかのアトラクションにありそうな岩肌(明らかにプラ)の通路、その奥には来た人に反応してゾンビが出てくるドラム缶、更に入るためにはなんか妖しい光を発している穴に手を入れなければならない(残念ながら真実の口ではない)。
どこのお化け屋敷?
ファーストオーダーを取りに来た人はゾンビのマスクつけてたし、従業員は基本的に囚人服、そもそも個室が独房仕立て。
いやー、この店主センスが突出してるわー。凄かったです、とにかく。
メニューも大魔王コロッケとか囚人が隠し持ってきたフライドポテトとか、凄まじいセンスの数々。カクテルがビーカーや注射器で出されるのも鮮烈でしたね。
また行きたいですね、ネタで。
ツレのNさんがやたらびくびくしてて可愛かったのは秘密です(笑)。

そんなこんなで色々ありつつ、そんなこんなで色々あった。
帰りは、近所の先輩とタクシー相乗りで、更に着物割引で1割引にして貰えました。そんなんあるんや(よしけむもその先輩も浴衣だった)。
脳天気よしけむの頭の中は、今日午後四時頃から立て看を建てる作業をすることとか、後サークルの〆切で原稿集めることとか、その辺があふれ出てきてます。
うし、今日は〆切。とりあえず眠いから寝よう! でもって起きたら原稿の仕上げをやろう。