京響第502回定期演奏会

さて、月に一度の京都市交響楽団定期演奏会。実は先月は行けなかったのでほぼ二ヶ月ぶりです。
なんか行ってみたら突然の違和感。
よく見ると、1st,2nd,Va,Vcの順で並んでいるではないですか。
京響はいつもはVaが客席側に来るのに、何かあったんでしょうか。
更に、演奏者が入ってくると今日はチェロのトップ奏者が上村昇さんでした。ソロ首席チェロ奏者で、見かけないことも多い方なんですけど。
まあ、そんなこんなの京響定演。やっぱり京都コンサートホール京響を聴くのは、良いですね♪

指揮:大山平一郎
Vn.独奏:竹澤恭子
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
        交響曲第7番

竹澤恭子さんは、実は殆ど聴いたことがないんです。CDも多分持っていないし、以前N響アワーで一度聴いたことがある、程度でしょうか。
失礼ながら外見のイメージは「割と情熱的な演奏をしそう」と見受けました。パンフの説明文を読む限りではあまり間違いではない様子。
そこでドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲ですよ。
切なさの中にも滾る情熱がにじみ出てくるようなこの曲、第一楽章のソロヴァイオリンの入りでいきなりガツーンときた感じでしたね。
短調の和音がホール全体に響いた瞬間、空気の色が変わった様な気がしました。
一楽章の初めの方はややオケがソロを食う様な感じがしていたんですが、演奏が進むにつれそう言うのは無くなって、素晴らしい世界にどんどん引き込まれていく感じでしたね。
そして、第三楽章。実は第三楽章が一番好きです。むしろ第三を気に入って、この曲と出会った、と言っても過言ではない。
始めに聴いた演奏は、多分ヨゼフ・スークの録音だったと思うんですが、第三楽章はやや細い音で、遠くから聞こえるように入ってきました。
ところが、今日の竹澤さんの演奏はそんなことはない。力強いヴァイオリンの旋律がオーケストラをぐんぐんと牽引していく感じでした。
それまでの楽章で仄めかしていたパワーが余すところ無くほとばしっていると言う印象を受けました。
いやー、今年の前期のプログラムで一番楽しみにしていた曲だったのですが、期待以上で幸せです。

交響曲第7番、というとのだめブームですっかりベト7って感じかもしれませんが、ドヴォルザーク交響曲第7番だって素晴らしいものです。時間が丁度CDに収まるからか、よくドボ8とカップリングされて売られているのを見かけますね。結構短めの交響曲で格好良いから、初心者でも聞きやすい曲だと思うんですけどね(私が填ってるくらいだし)。
さてさて、あまり語っても語るに落ちる感じですから手短に。
素晴らしかったの一言ですかね。
京響の分厚い音で切ない情感に溢れるドボ7を演奏された日にはもうノックアウトされるしかありませんから。
第三楽章の格好良さに痺れて思わず拍手をしそうになったことは内緒です。
素晴らしい演奏には拍手で応えるのが、京響聴衆クオリティ。今日も協奏曲、交響曲ともになかなか指揮者やソリストを帰さない長い拍手で、会場全体が感動を共有する感覚に浸れました。あれは良い聴衆が居るところでないと実感できない感覚ですよね。アマオケとかではなかなか無い、気がする。京響ファンとして幸せを感じられる瞬間です。