京響第500回定期演奏会

指揮:大友直人
モーツァルト  ジュピター
R.シュトラウス アルプス交響曲

京響の、記念すべき第500回定期演奏会ですよ。
記念を飾る曲は常任指揮者の大友直人によるアルプス交響曲でした。

まずは、亡くなられたアシスタントコンサートマスターを偲ぶJ.S.バッハのエアから。
弦楽器奏者のみが入ってきて、何があるのかと思いきや、しんみりとした雰囲気で故人を偲ぶ言葉が告げられました。そうして始まるエア。
まさに空気が見えたという感じでした。コンサートホールの中を研ぎ清められていく蒼ざめた空気、それはまさに「エア」の名に相応しい。
エアは自分も五年前、高校一年時分にやったことのある曲なのですが、あのときの自分はこの透明な空気を奏でられていたのだろうか、と不意に思います(←絶対出来ていないと言う確信も)。
透明な空気が見える演奏、とても素晴らしく、素直に感動してしまいました。

モーツァルトのジュピター。正直申しましてモーツァルトとか殆ど聴かないyoshikemですから、ジュピターも今まで聴いたことは無かったという始末。お恥ずかしいやらなにやら。
まあ、でも格好良い曲でしたね。
京響らしい繊細かつダイナミックな演奏で、曲を知らない私にも十分素晴らしさが伝わってくる感じでした。

アルプス、これは以前京大オケの演奏でも聴いたことがある曲ですし、迫力満点の大好きな曲であります。
序盤はアルプスの夜明けから入り、雄大尊大な大自然の形をありありと見せつけてくれる曲なのですが、京響クオリティでそれを聴くとやはりぐっと来ますね。
四管編成で編み上げられる、時に超越した響きさえかき立てる管楽器たちと、それに負けない規模で組まれた弦五部による深く厚みのある音色。
はぅあ〜、至福の時ですよ、これは。
やっぱり月に一度は京響を聴くのがよいですね。
アルプスを聴いている時、隣に座った女子高生がやたら洟を啜って五月蠅かったのだけが唯一の不満ですね。洟を啜るようなら袖まくりするなっつーの! 鼻汁と一緒に息の根も止まればいいのに、と穏やかならぬ殺意を久々に覚えたyoshikemでした。