分子人類学、二日目

昨日に引き続き篠田先生の分子人類学特別講義を聴いてきました。
まずは古代試料のDNAを直に解析して分析した縄文、弥生時代などの日本人像の話。その前に分析手法の話やContaminationの話もいくらかありましたが。
実際に発掘調査を行った遺跡について触れながら、縄文人弥生人についてハプログループなどから見られることなどが紹介されたんですけど、僕は縄文人が東日本中心に住んでいて西日本には殆ど居なかったってことを知りませんでした……(汗)
そんなこと習った記憶がないです。うーむ……、とはいえ最後に日本史を(まともに)習ったのが中学時代だから、忘れてるだけかも知れないのですが。
鍵になるのはやはり北海道のようです。北海道には結構保存状態の良い縄文遺跡があって、そこの骨を調査しまくった話などを聞きました。
弥生時代が延びているって言う話も初耳でした。僕の中では弥生時代は2300BP-1700BPなのですが、今って結構遡りつつあるらしいですね。あとは鎌倉時代にまでなるともう今とほぼ同じになっていると言う話など。ここまでが午前。

午後は新大陸の様々な研究について。今先生が力を入れてやっているところだそうです。
インカやマヤってどうも異境で夢とロマンとその他色々が入り交じった感じってのは偏見でしょうか。
遺跡の話をしている時に「太陽のピラミッドと月の神殿が……」なんて話を聞くと、どんなファンタジーのネタに出来るだろうかとか考えてしまうyoshikemです。
ともかく、そんなこんなで1923年のNYタイムズに下顎骨が無造作にくるまれていて実は新聞がかなり興味深かったとか、そういう裏話なども聞きつつ、中南米の人類の遺伝子に関する話、それに付随する余談などを面白可笑しく聞かせて頂きました。
いや、この先生の話って本当に面白いんですよ。チリのシカオ博物館について「日本の援助で建てられた博物館で凝った作りをして居るんですけど、何を意味しているのか分からない」とかそういう余談っぽいことが沢山挟まるんで。
海洋リザーバー効果*1についての話などは本気で興味深かったですしね。
博物館で特別展を行うというのはどういうことか、その裏話や病院でミイラのCTスキャンを撮った話など、他ではなかなか聴けないだろうなという話が盛りだくさんでした。

と、いうことで面白可笑しい特別講義は終了。
これで1単位はおいしかったし、単純に面白かったので普通の講演会だったとしても大満足してただろうと思います。チャンチャン。

*1:深層水育ちの海洋生物を沢山食べる人は放射性年代測定が古く出る効果