死神とチョコレートパフェ



シリアスなのかコミカルなのかよく分からない、分からないけれど絶妙の緊張感を持って戦いは繰り広げられていく。食器セットで。
死神かつ天使であるナギと、お金に五月蠅い少年天倉神名が繰り広げる甘くて甘くてチョコレートパフェのごとく甘い恋愛小説、と見ることも不可能ではない本書であるが、しかし最後まで呼んでみると意外とそれでいて深みのある構成である。死ぬべきなのに生きている人間、ソウル・イレギュラーという設定や天使や死神についての妙に現実味あふれる設定も面白みを誘う。
主人公の二人は殺し殺される関係なのにどこかお互い相手を憎みきれず、馴れ合いになるまで行かずに魂を奪い合う。なんとも不思議な雰囲気である。
また、そんな甘〜い雰囲気を壊さず可愛いキャラを描き出す挿絵もなかなか良い感じにマッチしている。女の子=ニーソが標準なのかどうかは疑問が残るが……。因みにリバーシブルカバーはこれが一番良かったのではないかと個人的に思っている。