惑星(或いは新顔)

太陽系の惑星一気に3個増?(asahi.com)
水金地火木土天海冥というのはご存じの通り太陽系9惑星の並び順です。タイミングによっては海王星冥王星は入れ替わりますが、まあそれはおいておくとしましょう。
コレに新顔が3つ程加わるかも知れないと言うことなんですよ。
国際天文学連合が総会で惑星の新たな定義を提案しまして、その定義にとりあえずまず3個、さらには他に12の天体が惑星として引っかかりそうと言うことなんです。
新たな定義というのは

  1. 天体が自ら球状を維持できる重力を持つ
  2. 恒星の周りを周回していて、かつ恒星や他の惑星の衛星ではない

の二つ。コレには質量では月の約150分の1である4.8兆Gt(ギガトン)、直径で言えば月の4分の1である800km以上の天体が該当するそうです。
今回候補に挙がっているセレス、カロン2003UB313の3つは直径で言えばセレスが950km、カロンが1200km、UB313は2400kmであり、枠内を捉えているわけですね。
因みにセレスというのは火星と木星の間にある小惑星群の中で最大のもの。カロンはこれまでは冥王星の衛星と考えられていたものですが、実際その大きさは主星である冥王星と大差なく、ある点を中心に互いに引き合って回っている二重惑星として捉えられることになります。最後に2003UB313は昨夏ちょっとばかし話題になった通称太陽系第10惑星で、冥王星カロンよりもさらに外側にあります。
カロンの発見者であるアメリカ人が今年で生誕100年で、2003UB313の発見もまたアメリカであるということから、大国アメリカの影響が強い定義、との穿った見方も出来るらしいけれど、そんなことよりも僕はコレが文化に与える影響を気にしたいですね。
天文学が元々占星術を起源としているということもあり、今回の新惑星問題は科学とは真逆の占星術界にもちょっとした影響を与えそうです。ま、占術についてはよく知らないんで何とも言えませんが。皮肉を言えば人が星を見つけようが見つけまいが、星の巡りは変わらずそこにあるわけで、新惑星が定義されたくらいでころころ変わる星占いなんて信じられるのかなぁ……、とか。
採決は24日の予定だそうですが、もしこの定義が可決されたら太陽系の惑星は「水金地火セ木土天海冥カロUB313」*1となって、ちょっと言いにくそうですね。そもそもセレスやカロンに和名を付けるかどうかも物議を醸しそうですし。
日本の教育界は、もし可決されてもすぐに教科書改訂に踏み切ることはない方針らしいですね。どうせ日本教育から天文学は排斥されつつあるんだから、もういっそ理科から天体を削ればいいのに、とか過激なことを思ってしまいます。

*1:2003UB313天文学の呼び名で、また一般名がつくとは思いますが