あの日と同じ月の下で

ムーンスペル!! あの日と同じ月の下で (富士見ファンタジア文庫)

尼野ゆたかさんのムーンスペル!!シリーズの完結編。
例によって受賞作放出フェアでムーンスペル!!という作品に出会ってから、結構引きつけられてたのかなぁ。
なんだかんだで好きな作品ではありましたね。
キャラが個性的で魅力的だったりしましたし。
さて、前巻ではエルリーが攫われちゃって、一体どういう展開になるんだろうと思ってたら、ほぉ、そう来ますか。
国王やら謀略やら色々大きな要素も出てきてるなぁと思ったら最後には動乱にまで発展させて閉めるわけですか。
ん〜、なんかこの巻の展開は余り好きになれないかも。
主人公がそんなに強くないから仕方ないのかもしれないんですけどねぇ。
あと、恋愛関係に関して全体的にやりすぎ感が目につく気がしないでもないですねぇ。
別にサビーネ&ヨハンなんかは面白コンビで放っておいたら良かった気がするんですけどねぇ。
あと、イルミラも結構くどくどとつついてたりとか、ターヤに関しては言わずもがな。
あと、最後の流れもちょっと違和感。
エルリーがクラウスの喉を治したとして、それで魔力減少を一気に起こしてしまうってのはちょっと違和感がある。
一応失った声を戻すってのが難しいことと、エルリーが闇魔術で喉を治したとか描写されてますけど、……なんかしょぼい。
ちょっと、エルリー、そんなんで死亡フラグ立てちゃっていいの!?って感じです。
なんだかんだ言って一巻で提示した魔力の翼とか、月の魔術とか、その辺の大きな伏線は回収されてすっきりはしてるんですけどね。
あ、それで思い出したけど、ムーンソロウはムーンスペルから変わりすぎじゃないか?
確か一巻ではちょっと直すだけで云々とエルリーが言っていたはずなのに。まあいっか。
ラストは結構好きでした。
こういうベタベタのらぶらぶは嫌いではない。