うそつき〜嘘を見るたびに眺めたくなる月

うそつき―嘘をつくたびに眺めたくなる月 (新風舎文庫)
日日日の本です。
一般文芸……?
僕はライトノベルの範疇にあると思うんですが、あとがきでは作者曰く一般文芸書のようですね。
まあ、境目も曖昧なモンでしょうけど。
最初の方は一体どんな話になるのか、さっぱり読めず、最後まで何か明確な流れがあるって言う話ではなく、しかしどことなく引き込まれる。
気がついていたら話の中核に来ていて、それでいてあまりその勢いを感じさせないという……、なんて言うか日日日マジックを感じないでもないですね。
一言で言ってしまうなら、作者も言ってますが恋愛小説。
他の何者でもない、只恋愛をテーマに扱った“純”恋愛小説とでも言いましょうか。
愛だの恋だのがよく判らない、という恋愛不器用な主人公竹宮輝夜の恋愛に関する一つの成長の物語ですね。
その最後が、というかラストに向かう一つ手前の主人公の心境変化が非常に爽やか。
今までうだうだいらいらとしていた(敢えてさせていた)主人公の心境が一転、ある事件を転機に晴れ渡るように清らかに正直になります。
そこは読んでいて、青春を大いに感じて気持ちよいところでしたね。
yoshikemもこんな風に爽やかな恋愛を書きたいモノだと思いました。
あとは「硝子不細工」という表現。
誰が見ても透明感あふれていて美しい硝子細工、そんな硝子細工になり損ねた出来損ないと自分を卑下する主人公が自らをもって言う言葉なんですけど、発想が面白いなぁと思いました。
う〜ん、こういう言葉の感覚って羨ましい。
あと、カバーが両面仕立てで裏返しても使えて、裏は輝夜と硝子の姉妹が左右対になるというデザインになってるんです。
モチロン、裏面を使ってます♪