今日は先輩の講演会でした

朝、いつもよりも三十分早く登校せよとの無茶な仰せ。
今日は高校の同窓生で、文部科学省審議官のS氏の講演会で、その方が今日の予定が詰まっているとかで一秒でも早く初めて一秒でも早く終わらせたかったそうで、こんな日程になったとのこと。
はぁ……。
とりあえず、朝一での気持ちは「怠っ!」。これでつまらない話だったら、腹の虫も収まらない、と言った感じですか。
学校についても、なにやらみんなやる気なさそうで、講演会の後二時間授業がなかったら本当に学校に行く価値無いのでは、といった雰囲気でした。
我がクラスは四十五人中二十数人、多分かろうじて出席率半分あったはずですが、友人のクラスでは半分以上の人が欠席、或いは講演会終了後に登校、といったプランを採用していたようで。
後に判明することですが、この選択はあながち間違いではありませんでした。

さぁ、講演会だ、そう言えば演題は? と思って、やたら大げさに掛けられている演題を見る。
「科学技術創造立国をめざして」
おぉ、演題だけ見たら結構面白そうじゃないか。
そう言えば今年は世界物理年ですし、技術開発はディベートでもホットな話題だったし、これはひょっとしたらひょっとすると面白いのかな、と若干期待を持ちつつ講演会に臨みました。
担任の話では講演の後十分ほど質疑応答の時間が取られるとのことでしたので、質疑する気満々でフローシート、もといメモを取りながら話を聞きました。
校長が簡単に講師紹介をしたのに、それで足りないのかなぜか3,4分かけて自己紹介をする。それも中身がおおむね校長の紹介とかぶっている。時間がなかったって聞いたのは気のせいだったんでしょうか?
次は、文部科学省の仕事の話でした。日本を支えてきたのは人間の力で、頭脳こそが日本の資源。まとめるとそんな内容でした。
教育というのは日本の資源である頭脳を育てるのに非常に重要なモノで、教育がこけると後の世に大きな禍根を残す、国家百年の計なんです、そして、科学技術という世界もいくらか時間が経ってから社会に還元される、すぐには目に見えてこないモノという点では教育に似たようなモノで、これらが日本社会にとって大切なモノなんです、と言う話でした。
おぉ、これが核になって話が進んでいくんだろうなぁ、と思っていたら、
「では、そろそろ本題に移りたいと思います」
え?
今のが本題の基軸ではなかったのですか?
そして、話はとりとめもなく枝葉へと進んでいきました。

  1. まず世界物理年に日本各地でも沢山科学にまつわるイベントが開かれましたね、と言う話。
  2. 実は岡山にもアルバート・アインシュタインに肩を並べられる仁科芳雄博士がおられて、と言う話でなぜか仁科博士の生い立ちがメイン
  3. なぜか文部科学審議官が外国で沢山仕事をしているという話になり
  4. この間若田さんの帰地球の出迎えに行ってきたという話

最後に、後輩の皆さんに若田さんのこの言葉を伝えたい。「夢に向かって努力することは時間がかかるが、その時間というのは決して無駄にならない。達成された時の喜びは何にも代えられないモノだ」と(この言葉は大意はこんな感じだったな、というもので細かい点は多分違います)。
あれ、科学技術創造立国はどこへ消えたんでしょうか?
ディベートで言うところの、重要性が見えない立論、みたいな感じでしょうか。
メリットのラベルと重要性、根幹となる主張がかみ合っていない感じを受けました。
で、お待ちかねの質疑です。
僕の中では、前座の話で大体終わっていたので(演題と併せてと言う意味も込めて)、この質問をしました。
ずばり「頭脳こそが日本の資源だと言われましたが、個人的にゆとり教育が広がってる風潮をどう思いますか?」
答えとしては、

  • ゆとりと学力低下って言うのはまずきちんと関連性が証明されてないので、この検証というのは確かに必要です
  • ゆとりというのは文科省が直接使い始めた言葉ではなくて、ちょっと誤解が含まれています
  • 方針としては、能力のある子を支援していく、これが重要です

あれ、はぐらかされてしまいました。
敢えて突っ込むというのも手だったのかも知れませんが、これ以上訊いてもどうにもはっきりした答えはいただけそうになかったので、素直にお礼を言って退きました。
時間の都合で質疑は僕のみ。まあ他に質疑しそうな人がいる雰囲気でもありませんでした(皆さんよくお休みのご様子で)。
あとで何人かの先生から「面白い質問だったな」とか「欲しかった答えとは違ったんじゃないか」とか言われました。
まあ、やりたいことは出来たかな、と言う感じです。
最後に感想を述べておきますと、そんなに面白いということは無かったです(失礼ながら申し上げます)。
何より、さっきも書きましたが演題とかみ合って無くて、何を主張したいのかがよく判らなかったのが痛かったですね。
メリットは何となく残ってるんだけど何が重要なのかよく判らない状態、みたいな感じですか。
三十分早く登校して聞く価値があったかと訊かれると、僕個人としては、NOの二文字でした。
……ってちょっと言い過ぎですかね……(汗)