瞳を閉じろ!

いつの投書だっけ。ヨーロッパからの帰り便の中で読んだから多分4月2日の朝日新聞「声」の欄だったと思うんですが。

最近日本語の乱れが目について心配です。
流行の歌だからと言って「瞳を閉じる」というフレーズが日常的に受け容れられていく状況はどうかと思う。
瞳は閉じるものじゃない。日本語は正しく使おう!

みたいな趣旨の投書があったんです。言ってるのは考えるまでもなく平井堅さんの名曲「瞳をとじて」のことなんでしょう。
えーと……、正直僕は語感や音感を大切に出来ないこの投書主の方の感性の方が心配です。
言葉というのは何のためにあるのかと言うと、伝えるためにあるわけです。何を?
ものを。ことを。気持ちを。感覚を。感動を。
こと今回の話は「歌」であるわけで、歌というのは勿論曲と詞が一体となり、そこに更に歌い手の歌い込みが乗って完成するものであります。その歌の完成度を高めるためならば、曲や詞のルールがどちらかのために枉げられるということは、往々にしてあるはずです。こと詩や詞の世界では文法が崩れたり日本語として成立してないくせに歌に乗せて見ればそれなりに通じる、なんて全然珍しくない。
或いは場合によっては「制作者が意図する完成形」のために一般大衆には時として受け容れられないような形態が取られることさえあります(音楽ではないけれど、キュビズムなんてそんな感じじゃなかろうかと思う)。
結局それを受け容れるか否か、或いは評価するか否かは受け手の感性次第となるわけです。
んで、問題は平井堅の「瞳をとじて」を評価する時にその日本語の「奇怪さ」はそんなに重要なのかという点。正直言って、「言いたいことはわかる」し、「語感が良い」ので僕はこれを否定する理由が全くもって見つからない。いや、正直言うと僕も心の中では突っ込んでましたけど、でもこれは言うだけ「野暮」でしょう。
有名なものをやり玉に挙げれば話題として目を引くだろう、という魂胆がそこはかとなく見え隠れしてるのは勘ぐりすぎでしょうか。
未定メンバーの高田氏の持論を借りるのならば「彼らにとって「変化」のうち主観的に「よくないと思う、受けつけない」ものが「乱れ」とされているのである」とのことです。成る程それはその通り。恐らくこの投書主の方も平井堅の言葉遣いが余程気に入らなくてやり玉に挙げたのかもしれません。
けれど、本当に「乱れ」なるものをタダしたいというのならば詞や詩の世界ではなく日常会話レベルを気にすべきであって、それは例えば「すごい感動しました!」とかの方を気にするべきでは無かろうかと思うわけです。
因みに僕自身、「まあ伝わればいいか」派なので、他人が喋っている分には基本的には流す方針です。自分が使う分には原則として「正しい」日本語を使って行きたいとは思っていますがね。尤もその日本語がいつまで「正しい」のかも疑問ですが。
今日授業で「輿論」と「世論」の違いを聞いたからこんな話……というわけでもなく、BIRUGEのNostalgic Rainを見てたら「瞳を濡らす」という下りが目に入ってふと思い出しただけです。
それにしても、もともとは「ヨロン」と「セロン」って別の意味の単語だったんですね。うん、やはり教育学部の授業は時々強要としての勉強になる。

さて、本日は健康診断+教育学部授業二コマ、という本当に理系なのかよく分からない一日でした。しかも健康診断って今日は原則法学部の日だっていうねw 本当によしけむは理系なのか? はい、理系です。明日は一応ゼミの筈です。
閑話休題、健康診断です。身長181cm、体重78.4kgと相変わらずのギリギリ標準範囲のBMIです。もう5kg絞りたいところ。なにせ内臓脂肪が割とついちゃってるのはお腹を見れば火を見るよりも明らかなので……。てなわけで走ろう。体力づくりかねて。
視力は相変わらず両目1.5以上はキープ。日夜酷使しているというのに、僕の眼筋は健気ですねぇ。
今年は教育実習があるので、胸部レントゲンを撮影してフィニッシュです。特に何事もなく診断が終了してよかった。ポーチを視力検査の所に落としたまま移動してしまってもの凄く焦ったのはここだけの話。

教育学部の授業は、教職科目と学芸員科目です。学芸員の方は、輿論と世論の話も絡めたメディア活用の話だったのですが、まあぼちぼち内職しつつかなぁ……。
教職科目の方は生徒指導の授業なのですが……、そうですそうなんです、この科目が昨年岩石学と被っていて非常に悩ましげながらも諦め今年こそはと思っていたらコマ移りしやがりまして博物館学(再履)とかぶりやがられた悩ましさベスト2の科目なんです(因みに悩ましさトップは誰がなんと言おうと博物館実習V)。
どうやらコマが変わった理由の一つには担当教員が変わったこともあるらしいですがね。去年まで担当されていた先生が多忙につき外部の方を講師に招いたらしいんですが、その講師の先生も引き受けたのが3月中頃だとか。おいwww お陰でシラバスはその先生が書いたものじゃなくなっているということらしいです。なんという事態でしょうか。
ともあれ、指導熱心な先生なのですが某教職系演習科目の先生とは違って今のところ空回り感は無い。実践系の内容も採り入れているのですが、「意味」と「実用方法」をきっちり踏まえている感じでした。やったのは単純なブレスト(ブレインストーミング)だったわけですが、ブレストのやり方は……、まあ「荒い」わけですが、我々「未経験者」たる学生には概念だけ体験して貰う程度でまずは充分かなぁと言う感じです。正直某演習がKJ法を採り上げていたのは空回りにしか見えなかったものですから……。
ともあれ、月曜は本日休講だった鉱物学特論が2限に入り、3コマ。恐らく一週間で一番忙しい日になる予定。四回生の時間割ってそんなもんです。その分自分の勉強をきちっとせねば!
勉強もしたい。他にもしたいことは山よ谷よとあるわけで、あー、忙しいなぁ!(嬉しい悲鳴)