妄想電王シナリオ〜良太郎、真・電車斬り!

今日の電王を見ていて思ったのです。
もし、電王がもっと熱血武闘モノで修行要素とかを孕んでいたら、良太郎はやっぱり最後には本当に一人で戦うことに成っちゃったんじゃないだろうかと。
そんな妄想が爆裂して、ショートストーリーが出来上がってしまいました。
てなわけで、以下。

モモ:やれるって言うなら、そいつでオレに一発でも打ち込んでみろ。それぐらい出来なきゃ、行っても意味無え。
良太郎:モモタロス、そこをどいてよ。
モ:だからどかしてみろってんだよ。そしたらオレももう何も言わねえ。
良:モモタロス……
モ:早くしろぉっ!


良:でやーっ!
モ:弱えっ。弱すぎるっ。こんなモンかよ、オレが教えた剣はよ!
良:く……、なにを言って……
モ:オラァッ! そんなんじゃアイツらやられちまうぞ! お前にデケエ必殺技はねえのか、良太郎!
良:……必殺技、っ!?
そういえば、と良太郎の脳裏によぎる、モモタロスとの練習風景。モモタロスは「まあ、お前には電車斬りもあるし、いらねえかもしれねえけどな」と言って笑いながら、一つの技を提案したのだ。プラットフォームのままでも敵を砕くことの出来る、必殺の一撃を。
モ:ぼーっと考え事か、良太郎!?
モモタロスの強烈なボディブローが決まり、良太郎がはじき飛ばされる。カランカラン、モモタロスから渡された剣が床を遠くへ転がっていく。
モ:武器もとられて、終わりだな。やっぱ、お前一人じゃ無理だ、良太郎。
良:……無理じゃ……、ないよ。僕一人で、戦える。
ボロボロになりながらも起き上がる良太郎。その両手が腰に差したデンガッシャーへと伸びる。
右手と左手、それぞれのパーツを握り、良太郎が立ち上がる。
良:一人で戦うって、その為に僕を鍛えてくれたのは、君だろ、モモタロスっ!
そう叫び、デンガッシャーを組み合わす。柄から出てきたのは、ソードフォームの時とは色も形も随分と異なる、銀色の刃。
パスでチャージしないうちから空中のフリーエネルギーを充填し始め、銀色の刀は白銀の火花を散らし始める。
夜空に浮かぶ三日月の如き刃を構え、腰を落とす良太郎。
良:行くよ、モモタロス
モ:……来いよ。オレに一発入れてみろよ、良太郎ォ!
走り出す良太郎。
構えるモモタロス
刹那、銀の光と赤い影が交わる。
モモタロスならきっとこの一撃も防がれる。でも、少しでも僕の決意をモモに示さなきゃ。
渾身の力で剣を振るう良太郎。
その一閃を防ごうと手を伸ばすモモタロスは、しかし一瞬「ふっ」と笑うように力を抜き――。
耳をつんざくようなリアルな音。
生肉を引き裂く感触が良太郎の手に伝わる。
良:え? モモタロス……、なんで?
防御できたはずなのに……。良太郎の手から力が抜け、デンガッシャーが取り落とされそうになる。
それをすんでの所で掴むモモタロスの手。
モ:……ったくよお、やればできるじゃねえか。おら、さっさと行けよ、オレに一発入れたんだからよ。
良:でも、モモタロスがこのままじゃ……
モ:このままじゃ、なんだってんだ?
良:……
モ:なんでもないんだったらとっとと行きやがれ! イマジンを倒してこの時間を護るんだろ!
良:……うん、わかった。僕、行くよ、モモタロス
モモの剣を手に歩き出す良太郎。その背後で崩れ落ちるように倒れるモモタロス




アルマジロイマジンの前に現れる良太郎。その隣に、モモタロスの姿はない。
良太郎:モモタロスが僕に教えてくれた。体と、心を張って、教えてくれたんだ。僕の、僕だけの必殺技を
ウラ:じゃあ……、先輩は……
キン:モモヒキのくせに格好付けよって……
良:僕は行くよ、モモタロス……。真・電車斬り!
銀色の刃にフリーエネルギーが充填され、三日月の輝きがあたりを照らす。
駆け出す良太郎が一瞬アルマジロイマジンと交錯し。
次の瞬間、アルマジロイマジンの胴体が二つに切られ、そのまま爆発四散する。


良:モモタロス、やったよ。僕、僕の必殺技で……
モ:……やれば、できるじゃねえか
良:え、その声は? ……なんで?
モ:なんでもなにも……、いちゃいけねーのか?
良:……ううん、そんなことないに決まってるじゃないか。
良太郎が振り向くと、そこにはリュウタロスに肩を借りて歩いてくるモモタロスの姿が。
リュウ:一応手当はしといたよー! まったく、モモタロスは手が掛かるんだから
モ:おいこらリュウタ、てめえ人をガキンチョみたいに

一応ハッピーエンド的?