お前に今、この声は聞こえているだろうか。

魔法少女リリカルなのはStrikerSのSS03を聞いたのですよ!
うぅ……、本気の本気で泣いてしまった……。あれは、感動した。実際に放映期間中に18.5話として聞きたかったな……。あ、でもそうすると色々複雑な点も……。StrikerSのSSは、本編を描く上でその深みを増す伏線的な要素(つまり本編での活躍が更にひと味もふた味も違って見える)と、本編で描き切れていないことが描かれている要素(つまり本編では活躍の薄い線が強化される)があって、それらがごっちゃに群像劇で描かれている節がありますからね……。
今回のSS03だってメインはちびリインと先代リインの誓いの継承ではあるものの、なのはのブラスターモードの伏線であったり、ナンバーズの思いであったり、スバルとティアナのコンビの絆であったり、ルー子とアギトの関係の話が描かれていて、ある意味一粒で二度も三度も美味しいものになってはいるんですけれど、ここの深みは今ひとつというか……。A'sのSSみたくふたつくらいまでのストーリーならそれぞれに適度に感情移入して、上手い具合に楽しめるんですけれど、4つも5つものストーリーが錯綜する上にマリエルとか個々のナンバーズとか今ひとつ名前を覚え切れてないキャラまでが前線に出だすと……、まあ入り込みきれなくなっちゃうのも事実なわけで……。
まあ、究極的な意味で、それが魔法少女リリカルなのはStrikerSというアニメの良くないところというべきでしょうかね。世界観はとても大きくて、個々のキャラクターがそれぞれ深い背景事情を抱えている。ただでさえ中身がものすごく濃密なのに、その上でキャラクター数が半端じゃなく多いとなると、2クールのアニメで描くにはどう考えたって尺が足りない。それを補う為のSSであり、コミックスであるんでしょうけれども、そうなると個々がどうにもぶつ切りになっちゃうわけで……。まあ、難しいところではありますね。
僕の中ではStrikerSは一期やA'sに比べれば随分と評価は低いですけれど、それでも好きなアニメであることに違いはありません。今回SS03を聞いて涙腺のゆるみを止められなかったことで、それを改めて感じましたね。
てなわけで、以下感想。

基本的にはリインIIの話なんですけれど、なんか一番最初にぐっと来たのはアギトのバックグラウンド。今でこそ息ぴったりのアギトとルーテシアも最初の頃はちぐはぐだったんだって言うのを聞くと、なんか改めてキャラクターが生き生きと色づきますよね。そしてルーに尽くすアギトの、そのほんの小さな思い出と願望。シグナムが本編で言ってた「どうしてだろうな、アギト。お前との融合は不思議と心が温かい」がとても意味のあるものだったというのが、個々でようやく分かりました。アギトがあそこで泣いていた意味というのも。よかったね、アギト。初登場時から好きでしたが、やっぱりアギトは良い子だ。
そんな風に良い感じだったアギトの話とちょっと対照的なのがスバルとティアナの話。うーん……、フォワード陣が、まるでA'sにおけるなのはVSヴィータとフェイトVSシグナムのというきちっとセパレートされた構図の逆を行くように、途中まで徹底的にチーム戦を重視してきていたにもかかわらず、最終戦は個々での戦いになってしまって話の意味が薄くなった(ライトニングは若干除く)のは、まあ周知のことと思います。なのはのブラスターモード然り、チーム戦でなくなった時点で意味が極めて薄くなるという要素がある中で、若干無理矢理感も否めないうちに終わってしまったのがStrikerSのファイナルバトル。だから、このSSで語られたスバルの決意は結局意味がないとさえ言えてしまうと思うんです。戦闘機人戦に長ける振動破砕のISを持つスバル。その自分が前線から退いたら意味がないと言って戦場へ向かったスバルは、しかしギン姉相手には結局振動破砕を使えずにそのままギンガ戦が終わって、あとはまあAMF下でガンガン動くってのはやってたけれども結局スバルが言ってた自分の意味=フロントアタッカーとして切り込んで戦況を切り開くという行動は出来ていない。これを現実は模擬戦のように理想通りに行かずに、その中で最善を尽くすことが必要、と解釈するのはちょっと厳しい。というか、マンガや小説という作られたストーリーに対して読者が求めているのが美しい整合性(伏線が綺麗に回収されるとか)である以上、やはりこれはストーリー展開が美しくないと言える気がする。その一方でティアに関しては割と「依存」と「自立」のストーリーが組まれていたりして、メインキャラじゃないところ*1はまとまっていたりするから不思議ですな。でもって、密かに張られているクロスミラージュモード3の伏線。戦闘機人戦で一撃KOはありえないだろ、と思っていたのですが、実はそう言う絡繰りがあったと。
自己ブーストとか、そもそもブーストとか、今回はなんか魔導システムも増えてるから、その解説が成されないと訳が分からないことも多いんですよね。そのブーストシステムについてとか、なのはのブラスターについてとかもちょこっと描かれていましたが……。フェイトさんが「なのはのブラスターはやっぱり恐いな」って言ってたのを聞いて、リリカルマジカルStrikerSなの!で出来そうな四コマの場面が浮かんでしまった僕はちょっと自重しろ。
そして、ユーノ君が格好良かったですね。ヴィヴィオじゃなくてユーノが。「きっと大丈夫だよ」。強くあろうとしたなのはさんをほんの少しほぐしてあげるユーノの言葉。本編に出番がなくたって、こんなに輝けるんだと、色々な勇気を貰った気が(大袈裟)。

主役について。
祝福の風が見る夢は、切なく哀しい歴史。
主を選べない宿命に嘆きながら、守護騎士達と様々な時代を歩んできた闇の書。その悲しみがリインIIの夢に少しずつ漏れ出てくる。
そして、二人の距離が近づいた時、リインフォースからリインフォースIIへの秘められたメッセージが届く。
お前に今、私の声は聞こえているだろうか。
ぞくっと、涙腺が緩みました。涙が溢れて止まりませんでした。
リインフォースが夢見た八神家の幸せな日常。そのあまりにも平和すぎる夢と、それを望んだが為にそこから立ち去らなければならなかった非業の身。生涯を閉じることに悔いはないと、毅然と言い切った彼女。
A'sで最も哀しき存在が伝えたその思いは心で受け継いで、リインIIの胸に秘められた。今が、ヴィータやシグナム、シャマルにザフィーラ、そしてはやてと過ごす今が幸せだからこそ、この幸せを護ることが何よりもリインフォースの意思を受け継ぐことに繋がる。
本来ならベルカ組だけで2クールやってもあまりあるくらいのドラマがあるはずなんですよね。けれど主人公はなのは。彼女らの話は自然と脇で触れられる程度にしかならない。
4期は是非とも魔法少女リリカルはやてで(違うだろ)。

よしけむの直感。
多分、今日明日中に第一稿を挙げないと原稿が非常にやばい事態になるんじゃないだろうか!
そして、今晩は晩ご飯のシチュー作りとSS03で消費された。
原稿の進捗状況は1割くらい……かな。
明日の授業は多少カットして頑張らなきゃ、まずいかな……。
=追記、11/16朝
朝からA'sの11話、13話をつまみ食い。どこを見たかというと、「名前をあげる。幸運の追い風、祝福のエール、リインフォース」の前後ではやてとリインフォースの対話とか。それから13話でのリインフォース消滅の儀式のあたり。
僕の中で今リインフォースの存在感が赤丸急上昇中です。特に13話ではやてが駆けつけてからのリインフォースの言葉は、その一言一言をどんな思いで告げていたかと思うととてもじゃないけれど涙を堪えることなんか出来るわけ無いのであって……。はやてが「暴走なんてさせへん」と引き留めれば引き留めるほど、それに甘えたいという思いも生まれたでしょう。しかもはやては自分の為じゃなくリインフォースの為に、それを言っていたわけですから。「これから、ずっと幸せにしてあげなあかんのに」この言葉が、でもきっとリインフォースの心を決めたんじゃないかと思います。この優しい主の為なら、喜んで逝こうと。
あああああああ、あかん。泣ける泣けすぎる。
原稿せなあかんのに。見てる時間なんて無いはずなのに。

あと余談ながら、OPなど見つつ、シグナムとゲボが敵な状況ってちょっと不思議だなーって思っちゃいましたねー。もうゲボ=なのはの良い相棒って感じがしちゃいましたからね〜。
さて、原稿をしよう。

*1:ティアもメインだけどさ、なのは≫スバル>ティアじゃん、やっぱり