テーマバトン【物語】to 創作人へ

基本的にバトンはやらないyoshikemではあります。よほど興味がわかない限り。最近知人のバトンを読むこともあまり無いし。
とりあえず、ぼっくす人のバトンブームがあった去年の秋頃以来かね。
mixiでいづみさんが書いていて、名称未定の創作人に【物語】で書かせてみたいとのことですので、ちょろっとやってみます。
特に回す気はないので、興味のわいた人は【物語】で拾っていってくださいな。



ルールはこちら↓
◇廻してくれた人から貰った【指定】を【】の中に入れて答える事。


1 最近思う【物語】
2 こんな【物語】には感動!!!!
3 直感的な【物語】
4 好きな【物語】
5 こんな【物語】は嫌だ!
6 この世に【物語】がなかったら・・・
7 次に廻す人、6人(【指定】付で) 興味のある人は【物語】で
8 指定した人の名前をタイトルにする♪


1.最近思う【物語】

物語は僕にとっては「読むモノ」だけでなく「書くモノ」でもあります。んで、まあ書くモノとしての方をば。
時々分からなくなる。自分が漠然と何かの物語を書きたいのか、それともそこに確かに存在している「その物語」を書きたいのか。英語に直せば、Whether I wanna write a/the story.
「a」であるなら、それはひょっとして自分が「書きたい」と思いこんでいるだけなのかもしれなくて、その創作意欲は偽物ってことにもなりかねないわけですよ。その可能性に気付きつつも考えようとはしない、むしろ考えたくもないのが現状。
何か一本、自分でも納得できる良いものを書き上げたらちょっとはスッキリするのかもしれませんけれど、果たしてそれが出来るのかどうか。いや、出来るかどうかではなく、やらなくちゃ。と義務感を感じだしたら終わりかもしれない。
ごく最近、冲方丁オイレンシュピーゲルの後書きを読んで、Story Tellerたる者はかくあるべきと言う一つの姿を見た気がしました。

あ、いた。
(中略)
可能な限りさっさと見て取って、出来るだけそっくりそのまま書き写せばいい。
(中略)
別の三人もいることがわかった。

多分自分の目指しているところとはちょっと違うんですけど、こういうモノ書きの在り方って凄いと思いました。
結局、物語っていうのは、読むモノとしても書くモノとしても、今でない時ここでない場所で流れるもう一つの世界なんですよね。

2.こんな【物語】には感動

伊坂幸太郎さんの語る物語には素直に感動を覚えて仕方ありませぬ。構成の緻密さ、そこに息づく彼らの一挙手一投足までが現実的なモノとして迫ってきて、確実に読者をそこへ連れて行ってくれますし。
夢中になって読みふける、と言うのとは違って、むしろ一歩退いて高いところから見下ろした方が却って感動するというかなんというか。それは物語に感動しているのか? それとも構成力、つまり作家の技量に感動しているのか?
いやいや、確かに物語に感動しているのですよ。一人称的にではなく空くまで三人称、他人事の視点で感動してしまう物語、それが伊坂ワールドという気がしますね。
一人称的には最近は「イヴは夜明けに微笑んで」が割と良くて、涙腺が緩みましたね。けれど、今回挙げた話はそう言うのとは別の問題。

3.直感的な【物語】

何のふれこみもなく、本屋で偶然直感で気に「これだ」と思う出会いをすることがありますね。最近は本屋に行くことが少ないので、あまり無いのですけれど。
スプライトシュピーゲルとの出会いはきっとそんな感じの出会いでした。その物語の秘める内的パワーが直感に語りかけてくると言うか、手に取らずにはいられないみたいなそう言う衝動に駆られる物語。
読む方に関してはそんな感じ。
書くモノとしての直感的な物語というのは、要するに手の動くに任せて奴らに好き勝手やらせている状況ってことじゃないんでしょうかね。色々構成とか展開とか考えていても、相手のあいつと変な会話の流れになって余計なことを始めちゃったりとか、そんなことは割とよくある話です。
そう言う時、直感を優先すべきかあらかじめ考えておいた展開を優先すべきか、結構悩みます。直感で広がったのを上手く引っ張ってこられたらベスト。そこは腕の見せ所、と燃えられれば文句はないですね。
そうしてどんどん迷走していくのもまた一教科と。

4.好きな【物語】

ハッピーエンドは良いですね。総ての伏線が回収され尽くすとか、鮮やかな謎解き劇が行われる物語は好きです。何より読んでいて気持ちがよい。
その点伊坂作品はどれもこれも僕のツボなんですが、そこへ戻ると話が進まないので……。
自作品の主人公に求めるモノは結局自分の好みです。嫌いなモノを好んで書くような自虐M属性はありません。そうなるとyoshikemの書く物語では主人公はスッキリしなければいけないし、幸せになれなければダメなのです。単純人間ですからなかなか彼らを酷い逆境に陥れられない為、ドラマティックな逆転劇とかがあまり無いのですが、いずれにしても書いているウチに自分が笑いをこらえられないような展開だったら、思わず笑みをこぼしてしまうような物語だったら、そんな作品を書けるってことは幸せなことですよね。

5.こんな【物語】は嫌だ!

混沌、グロテスク、不明瞭などなど……、要するにさっぱりスッキリしていないモノたちは苦手です。あと人が死ぬのも、物語の中とはいえ好きではありませんね。
悪役をひねくれさせるのは嫌いではありませんが、自分の作ったキャラを徹底的に残虐非道な悪役に徹させるのはちょっと抵抗があります。まあ最近はそれでも悪方向に壊れちゃった人間を書くのもどうにか挑戦中なんですが……、多分そう言うのが好きな人間から言わせるとぬるくて仕方がないと思います。
結局、音が単純人間ってところが総てを規定しちゃうのかなと思いますね。

6.この世に【物語】がなかったら……

ない。と答えたら身も蓋もないのですが。
もしこの世に物語がなかったら私が世界で初めてのストーリーテラーになっていただろう。そうして物語というモノをこの世に生み出しただろう。
と言うほどにオリジナリティがある人間だとは到底思えないんです。僕は飽くまで今ある数々の物語を読み、それに対する憧れをはじめの原動力として動いていると思うので、物語という概念が無ければ果たして創作のようなことをしていたかどうか……、怪しいどころじゃなくて多分あり得なかった筈。
そういうわけで、基本的には【物語】のない世界なんて考えられないというのが本音です。そして、今の世界に生きていることを改めて喜ぶ。
そんなところで勘弁。