幻界(ヴィジョン)の旅へ

微積のテスト後ブレイブストーリーを見てきました。
宮部みゆきの本格ファンタジー大作を二時間でやろうという根性が間違っていることはとりあえず置いておくとして、面白かったですね。
端折りすぎで苦労するべきシーンなどが一切合切省かれちゃってるんですけど、省き方が上手いからそんなに違和感はなく見られました。原作を読んだのはもう随分前で記憶が薄れている、と言うのも違和感のなさに買っているかも知れませんが。一回、旅の様子がハイライトみたく断片的に次々描写される場面があって、原作の記憶がほとんど無い僕にはかなりちんぷんかんぷんでした。うーん、原作読み直すかな。
さて、「世界はこの勇気を待っていた」みたいなキャッチコピーがありましたよね。アレがあんまりはまらないストーリー展開になっちゃってるのは否めませんよね。
宝玉を手に入れていく過程で一体どんな苦労があったのか、その辺りのことにあまり触れず、成り行きでトントンと宝玉が、しかもあっさりとワタルの手に入ってきますから、映画を見ている方としては「ワタルの成長はいつのまに起きたの?」という感じになってしまった気がします。或いは素直に見たものを見たまま受け入れるとするならば、ワタルの成長は全て運命の塔での最終決戦の場で起きたもの、とも見えますね。人間ってそんなにあっさり成長するモンでしょうか、という疑問を抱いてしまいます。
ただ、そう言うテーマ性云々の話を抜きにするとかなり面白かったと言う点は太鼓判ですよ、僕としては。
キ・キーマやニーナ、カッツらヴィジョンの人物達も魅力的に描かれていましたし。キ・キーマは面白く、ニーナは可愛くてまたワタルへの恋心のようなものも見ていて愛らしく、カッツさんは格好良いことこの上なし。ファイアドラゴンのジョゾも可愛く、また時には頼もしくて、最後にワタルが現世へと帰っていく時に飛びついていって後に残ったハイランダーの腕輪を持って鳴くところはなかなか涙腺がじわっときてしまったり。
ミツルは演技力が……、もそっと来て欲しかったかな。クールな少年特有の感情のなさ、と言ってしまえばそれで良いのかも知れないけど、今ひとつ演技力不足な感じがしてしまいましたね。

ラストシーンはアレで良かったんでしたっけ? 原作のラストを忘れてしまったので……。
でも、まあ夏休み映画に相応しい良い話でしたね。まだ見てない人は行くのお勧めです(今更ですが)。